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BASEL WORLD 20162016BASEL WORLD 新作 レポート

BASEL WORLD時を巡る旅2016
パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)

 今年(2016年)もまた、3月17日から24日までスイスのバーゼルで世界最大規模の時計見本市であるバーゼルワールド(BASELWORLD Watch and Jewellery Show 2015)が開催された。


 今回、バーゼルワールドには約15000のブランドが出展し、全世界から14万5000人の人が訪れたという。来場者数の内訳は、2015年と比べるとバイヤーと一般来場者は3.0%減だったが、プレスは2.3%増という。簡単にいえばマスコミの関心が世界的に昨年より増していることになる。


 ただ、私の印象からすれば中国とロシアからの人々が激減したように思える。期間中に宿泊したスイス・オルテンのホテルでは、中国人宿泊客がめっきり減り、去年まで会場のあちこちで聞かれたロシア語もあまり聞こえてこない。


 これに対して、多くのブランドで聞いた売り上げ好調な国がインドネシアやマレーシア、タイなどの東南アジア、そしてインド。おそらく2.3%増えたというプレスは、これらの国からではないか? これは憶測の域を出ないが、多くのブランドは東南アジアなどの新興国での販売に手応えを感じているようだ。


 そこで我々の興味の中心である2016年のトレンドだが、ダイバーズやGMT、ブルー・ダイアルなどの人気、ケースの小型化などは今年も継続。これらに加え、薄型やスケルトン・モデルを多くのブランドがリリースし、新たな自社製ムーブメントやミリタリー系モデルを発表する動きがあった。もっとも、これらはまだ主流にはならない、緩やかなトレンドだ。


 その中で注目したのは、カーボンやシリコン、ファインセラミックスなどの新素材ケースの新たな動き。これらは従来、数百万~数千万円クラスの超高額モデルに採用されていたものが多いが、高度に工業化することで、比較的、手に入れやすい価格を実現したメーカーがあった。とはいえ、まだ充分に高額なので、そう簡単に買えるわけでないのだが…。


 一方、2015年4月に販売開始されたアップルウォッチにスイス時計界がどう対応するかを注目していたが、とりあえず今回のバーゼルでは目立つブランドやモデルは多くない、というのが私の感想。もちろん、各社が黙って見ているだけでなく、3万円前後の手頃なモデルから宝飾加工を加えた百万円オーバーのモデルまで、それなりに発表されたものの、それほど話題が盛り上がっている印象は受けなかった。


 それにしてもスイスで行われる時計見本市が、これほどまでに世界から注目されているというのは凄い話。この注目度の高さをバネに、各時計メーカーには、より魅力的で幅広い層に愛される時計の開発を期待したい。


総論:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


2016バーゼルワールド
取材・文:名畑政治 、田中克幸、篠田哲生、竹石祐三 / Report&Text:Masaharu Nabata 、Katsuyuki Tanaka、Tetsuo Shinoda、Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎、江藤義典 / Photos:Ryotaro Horiuchi、Yoshinori Eto




BASEL WORLD 2016 information2016年BASEL WORLD 取材詳細

BASEL WORLD(バーゼル・ワールド)2016 詳細

開催期間 : 
2016年3月17日(木)~3月24日(木)

出展ブランド : 
ロレックス(ROLEX)、ブルガリ(BVLGARI)、ブライトリング(BREITLING)、カール F. ブヘラ(CARL F. BUCHERER)、シチズン(CITIZEN)、ラドー(RADO)オメガ(OMEGA)、アルピナ(ALPINA)、フレデリック・コンスタント(FREDEROQUE CONSTANT)、ハミルトン(HAMILTON)、メカニケ・ヴェローチ(MECCANICHE VELOCI)、エドックス(EDOX)、ブレゲ(Breguet)など



BASEL WORLD(バーゼルワールド、バーゼル・フェア)とは?
スイスで開催されるこのBASEL WORLD(バーゼルワールド、バーゼル・フェア)という祭典では、毎年世界のウォッチブランドが一同に集結して、新作発表がおこなわれています。バーゼルワールドは世界最大級の規模を誇り、時計だけではなく宝飾やジュエリーなどの展示もおこなうワールドメッセです。また、このバーゼルワールドはSIHHと違い、一般客も入場できるオープンな会場となっています。
多数のウォッチブランドが、この日の新作発表の場にそなえて、向こう一年の社運をかけた渾身のニューウォッチを携えてやってくるこの祭典は、腕時計ファンには見逃せない内容となっています!
Gressiveでは毎年スイスへ赴き、バーゼルワールド(BASEL WORLD、通称バーゼルフェア)の会場から、新作ウォッチの情報をどこよりも早く配信しています。

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