2023 New Model ｜ GIRARD-PERREGAUX
2023年ジラール・ペルゴ新作　ロレアートアブソルートクロノグラフ 8Tech

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　1975年の第1号モデルよりインハウス・デザインで完成したロレアート。2019年発表のアブソルート・コレクション以降、彼らは新しいケース素材への開発に一層積極的な取り組みを見せ「ロレアートアブソルートクロノグラフ 8Tech（Laureato Absolute Chronograph 8Tech）」では、カーボンとチタンの複合素材に挑戦。“8Tech”とはロレアートのアイコンである八角形ケースと、彼らの新技術への挑戦の意思が込められている。44mmのケースを形成するこの複合素材は驚くほどの軽量化に成功し、スティールの5分の1以下の軽さでありながらこれと同等の強度と剛性を実現。ダマスカス鋼を想起させる波状の外観も特徴だ。自社ムーブメントの自動巻きCal.GP03300-1058搭載。

LAUREATO ABSOLUTE CHRONOGRAPH 8TECH
ロレアートアブソルートクロノグラフ 8Tech
Ref：81060-41-3222-1CX
ケース径：44.00mm
ケース厚：15.15mm
ケース素材：カーボン/チタンコンポジット
防水性：100m(10気圧)
ストラップ：ブラックラバー(ファブリック仕上げにグレーのステッチ入り)、PVD加工を施したチタン製フォールディングバックル(微調整システム付)
ムーブメント：自動巻き、Cal.GP03300-1058、約46時間パワーリザーブ、毎時28,800振動(4Hz)、63石
仕様：時・分表示、クロノグラフ、スモールセコンド、日付、グレーのグラデーションダイヤル、チタン製カウンターとインデックス、サファイアクリスタルケースバック
価格：3,520,000円(税込)

＞このモデルの関連記事はこちら

今回採用されたカーボンとチタンの複合素材の製造工程は以下のとおり。(1)樹脂を含浸（紙や木材、鋳物に生じる微細な穴等に液体を浸み込ませること）させた一方向の非・編み込みカーボンファイバーを、軽量のチタンパウダーと結合させることで、厚さ0.05mmの薄い層状に形成。(2)この層を異なる向きで重ね合わせて「スタック」を形成してから八角形にカット。(3)八角形のパーツを型に入れ加熱・超高圧処理を行なった後に、ベゼルを含むケースのパーツを素材からフライス加工し手作業で研磨。こうしてダマスカス鋼(※)にも似たベゼルとケースは完成する。片やサンドイッチ構造のダイアル表面は、サンドブラスト加工された後にケースとベゼルの色調を反映したグレーのグラデーション加工が施される。（※ダマスカス鋼：別名、ウーツ鋼。古代インドで製造された坩堝｟るつぼ｠鋼で木目状の模様が特徴）

ケースバックのサファイアクリスタルガラスは、ケースやベゼル、ダイアルの色調に合わせたモノクロームカラーに仕上げられている。搭載される自動巻きCal.GP03300-1058は、毎時28,800振動数（4Hz）、63石、部品数419個、約46時間のパワーリザーブ機能を有する自社開発・製造のクロノグラフ・ムーブメントだ。