2023 New Model | GIRARD-PERREGAUX
2023年 ジラール・ペルゴ新作 ロレアート アブソルート ライト&シェード
【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】
1975年の誕生、1995年の復活、そして2019年のアブソルート・コレクションによる再臨がロレアートの略歴。2023年1月発表の「ロレアート アブソルート ライト&シェード(Laureato Absolute Light & Shade)」は、金属化サファイアクリスタル製ケース&ムーブメントのスケルトンモデル。ケースは「キロプロス法」と呼ばれる、単結晶サファイアを球体へと成長させる製法を採用。これを固形ブロックへと変換した後に小さな円盤状にカットし、ベゼル等のパーツへと加工。研磨後はパーツに金属化処理が施されて完成する。わずか85gのケースは、ムーブメントも含めて光の入射角度により微妙な陰影を見せ、モデル名「ライト&シェード」の所以(ゆえん)を明らかにする。
LAUREATO ABSOLUTE LIGHT & SHADE
ロレアート アブソルート ライト&シェード
Ref:81071-43-2022-1CX
ケース径:44.00mm
ケース厚:11.56mm
ケース素材:金属化サファイアクリスタル、チタン(ブラックPVD加工)
防水性:30m(3気圧)
ストラップ:ブラックのステッチ入り「ファブリック調」のブラックラバー、チタン製フォールディングバックル(ブラックPVD加工)
ムーブメント:自動巻き、Cal.GP01800-1143、毎時28,800振動(4Hz)、約54時間パワーリザーブ、25石
仕様:時・分・秒(スモールセコンド)表示、ポリッシュ仕上げの台形インデックスが付いた3Dリングの文字盤、蓄光塗料を塗布したスケルトン加工のロジウムメッキ針、シースルーケースバック
価格:13,101,000円(税込)
2000年代に入ってからのジラール・ペルゴは、2013年発表の“コンスタント・エスケープメント L.M.”等のムーブメントの他に、ケース素材の開発にも大変熱心だ。2019年誕生のアブソルート・コレクションではブラックPVD加工のチタンケースを採用し、今回のモデルでは“金属化サファイアクリスタルとブラックPVD加工を施したチタンケース”が誕生した。“金属化サファイアクリスタル”とは、モデル解説文で既述の「キロプロス法(Kyropoulos Method)」から生まれたサファイアクリスタルへの金属化処理を示し、この工程は真空中で行われる。最終的には170時間をかけて当モデルのようなスモークがかった外観に仕上がり、その効果は写真で明らかなようにシェードを掛けたようなスケルトンケースからのムーブメントの可視化である。
ジラール・ペルゴの自社ムーブメントは、1994年にバーゼルフェア(当時の呼称)で発表されたGP3000とGP3100に始まることは、時計愛好家には周知の事実。当時、幸運にも現場に立ち会えた私は、当時のCEOである故ルイジ・マカルーソ氏の非常に誇らしげな表情を、現在でも覚えている。過去も含めたムーブメントの開発実績は、派生系も含めると約40型。代表例では2針+スモールセコンドのGP01800系(時・分・スモーセコンド)やGP03300系(ムーンフェイズやアニュアルカレンダー等)、GP03800系(クロノグラフ)、GP09300系(トゥールビヨン)などバラエティに溢れており、1791年創業の老舗の格を感じさせる。当モデルに搭載されるCal.GP01800-1143はGP01800の系統に位置し、基本スペックは時・分・スモールセコンド機能、直径30.00×厚さ4.16mm、部品数172個、石数25個で約54時間のパワーリザーブ機能だ。
MODEL Catalogジラール・ペルゴ モデルカタログ
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