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Gressive Premium vol.05 Saxon Watch Story  ザクセンの繁栄で花開いたドレスデンの芸術・科学・産業

ザクセンの繁栄で花開いたドレスデンの芸術・科学・産業

  ドイツ東部、ポーランドと国境を接するザクセン州。面積18.420km2、人口420万人。このザクセン州の州都ドレスデンこそ、かつて「バロックの真珠」、「エルベ河畔のフィレンツェ」と呼ばれた芸術と学問の都であった。


壁

ドレスデン旧市街の「君主の行列」はヴィルヘルム・ヴァルターが1872年~1876年にかけて描いた全長102mの壁画。現在のものは1907年にマイセンの磁器タイルに転写・複製されたもの。


  その繁栄は、12世紀に南部のエルツ山地で銀や銅など金属鉱山が発見されたことに始まる。やがてエルベ河を利用した通商によってドレスデンは富を蓄積し、15世紀にはドイツ一豊かな都市となった。特にザクセン王国がその栄華を極めたのは、1694年、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世の時代のこと。


  彼は強大な権力(実際に怪力の持ち主でもあったという)と精力的な働きで“アウグスト強王”と呼ばれ、欧州各地から著名な学者や芸術家を招いて文化と科学の発展を振興した。また有能な建築家に教会や宮殿の造営を命令し、数々の名建築をこの地にもたらした。


  ザクセン王国における芸術や文化に対する支援は、強王の息子フリードリヒ・アウグスト2世の時代も続き、アウグスト強王が愛人コーゼル伯爵夫人のために建てたタッシェンベルク宮殿や、美術館や博物館、図書館が集まり「諸学の宮殿」ツヴィンガー宮殿、ラファエロ、ボッティチェリ、レンブラント、フェルメールなど巨匠の傑作絵画コレクションを収蔵する「アルテマイスター(古典巨匠)絵画館」などが残された。


  さらに科学分野における功績では、欧州初の硬質磁器の製造に成功しマイセン磁器が生まれ、数学や物理学、天文学の発展を目指したことで高精度な時計製造の基盤が形成されていった。


  その後、1756年から始まる七年戦争でザクセンはプロイセンに敗れ、ナポレオンの支配などによって国力は一時的に衰えたが、19世紀に入ってからは数々の産業が興り、これによってザクセンは急速に工業化が伸展。カメラ、光学機器、精密機械、自動車、たばこ、ビール、ワイン、医薬品、楽器などの製造業が発達する。そして、これら多くの産業のひとつが、エルツ山地の小村グラスヒュッテにおける時計産業なのである。




構成:田中克幸(Atelier ADJET) / Direction:Katsuyuki Tanaka
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:高橋和幸(PACO)、堀内僚太郎 / Photos:Kazuyuki Takahashi , Ryotaro Horiuchi
協力:A.ランゲ&ゾーネ、グラスヒュッテ・オリジナル / Special thanks to:A.LANGE&SÖHNE、GLASHÜTTE ORIGINAL


INFORMATION

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