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2023 New Model | BREGUET
2023年 ブレゲ新作 クラシック ミニッツリピーター 7637

【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】

 暗闇での時刻を知る手段として発明されたミニッツリピーター。1783年、時刻を告知する音鳴り装置のベル型ゴングを、板バネに変換した発明者が初代ブレゲだ。現代のブレゲではひと月以上の時間をかけて1本のミニッツリピーターを完成させる。完璧な仕上げには、音色を生み出すパーツ素材と精密に組み立てる時計師、そして音の調和と旋律の2段階でゴングのチューニングを担当する“音のソムリエ”=音響技師の存在が欠かせない。さらに手彫り装飾のムーブメントにグラン・フーエナメルのダイアルとゴールドケースも用意され、このような美と技を結集したモデルが「クラシック ミニッツリピーター 7637(Classique Répétition Minutes 7637)」である。


Classique Répétition Minutes 7637
クラシック ミニッツリピーター 7637
Ref:7637BR/2N/9ZU
ケース径:42.00mm
ケース厚:12.25mm
ケース素材:18Kローズゴールド
防水性:3気圧(30m)
ストラップ:アリゲーター、ゴールド製トリプルフォールディングバックル
ムーブメント: 手巻き、Cal.567.2(手彫り装飾ムーブメント)、40時間パワーリザーブ、毎時18,000振動(2.5Hz)
仕様:時・分表示、ミニッツリピーター、ブラックのグラン・フーエナメルダイヤル、アラビア数字、ブレゲのシークレットサイン、サファイア・ケースバック(透明裏蓋)
価格:35,893,000円(税込)

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暗闇での灯りを蝋燭にしか頼れなかった時代、1680年頃にミニッツリピーターは誕生した。乱暴なたとえだが教会の鐘の仕組みを懐中時計サイズに超・縮小化したようなものだろう。当初の音鳴り装置にはベル型のゴングを使用していたが、1783年、初代ブレゲはこれを板バネ型のゴングに置き換えるという画期的な方法を生み出した。直線的で地板と交差するように配置された当時の板バネは、やがてムーブメントの周囲に幾重に巻き付けられるリング状になる。その結果リピーター搭載の懐中時計の厚さは大幅に抑えられると共に、明瞭で調和の取れた音色を発するようになった。ケース径42mmの「クラシック ミニッツリピーター 7637」に搭載されるムーブメントは手巻き式のCal.567.2。リング状のゴールド製ゴングをステンレススティール製ハンマーと共にややケース中央寄りに設置することで、ゴングが直接ケースに振動し音色をより効果的に伝えることが可能となった。ゴングにゴールドを使用することで豊かな部分音(※註1)による調和の取れた音質を発生し、同時にケースもゴールド製のため同じ音響インピーダンス(※註2)を共有し部品同士が等しく音を伝達する。
(※註1:部分音=倍音。基音が持つ特有周波数の正数倍の周波数の音。基音に対して共鳴しやすい関係にある)
(※註2:インピーダンス=impedance。交流回路における“電流の流れを妨げる働きをするもの=電気抵抗”の数値で電流の流れやすさを示す。単位はΩ=オーム。数値が大きいほど抵抗は大きくなる)


ダイアルにはグラン・フー(高温焼成)エナメルを採用。特に当モデルのブラックダイアルの色味は、ミニッツリピーターが誕生した時代の夜の暗闇を想起させるほどの漆黒である。そのエナメルダイアルの素材はシリカ(別名、酸化シリコン)や、粉砕した酸化物を混合して出来上がった色付きの粉末。この粉末を水に溶かした後にダイアルに塗布するが、エナメルは色によって焼成温度が変わるので、ダイアルの各層や色を塗布する度に800度を超える設定温度で焼成する。実に歩留まりの悪い作業なので注意深い作業が求められる。個人的な感想だが、18Kローズゴールドケースと漆黒のエナメルダイアルのコンビネーションには極めて高い品格を感じる。


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