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古い殻を脱ぎ捨てリスタートを決意した『HOURUNIVERSE』

HOURUNIVERSE 2021

『BASELWORLD』が名称を変更し『HOURUNIVERSE』となるようですが、主催者はあくまでもリアルな見本市の開催を目指しているようです。しかも、業界関係者だけに絞ったクローズドなものではなく、一般参加も視野に入れたオープンな形式とのことです。



 一方、バーゼルワールドはどうなったのでしょうか? その公式ページを開くと、このような声明文が表示されました。

「バーゼルワールドが休息したことで、MCHチームはカスタマーやバイヤー、ビジターからフィードバックされたすべての専門知識を、新しいプラットフォームである『HOURUNIVERSE』の誕生に注ぎました。(中略)『HOURUNIVERSE』は、オープンでモダンで包括的でユーザーフレンドリーで相互に接続され、ヴァーチャルとライブの両方で一年中アクティブです」

 ということはつまりバーゼルワールドという古い殻を脱ぎ捨て、『HOURUNIVERSE』という新たなプラットフォームを立ち上げるということですね。

 しかし、その実態は不明です。公式ページにアクセスすると、このような記述がありました。

「この新しいショーはCPO(certifed pre-owned=認定中古品)の小売業者を含む、流通チェーンのすべて(従来の小売業者およびオンライン小売業者)に適用されます」

 つまり、これまでの時計・宝飾メーカーや小売業者に加え認定中古品を扱う業者やeコマース(電子商決済)の業者の参加も可能ということです。これはメーカーやブランド自らが認定中古品を販売したり、ECサイトを構築しはじめたことを受けた現実的な対応だと評価できます。しかし、それが時計や宝飾のような高額商品の流通に、どのような影響を及ぼすのかは未知数です。

 ただし、新たな形態のショーについては「COVID-19のパンデミックが蔓延しているため、2021年にバーゼルで『HOURUNIVERSE』のライブショーを開催するための新しい日付を検討しています」ということで、開催は夏以降になる予定。参加ブランドについても、すでに『Watches and Wonders』への参加を表明しているブランドがバーゼルワールドの公式ページに列記されているだけで、これもまだ不透明です。


HOURUNIVERSE HOURUNIVERSE

『HOURUNIVERSE』主催者が発表した新たな見本市のイメージ・イラスト(上)とCG画像(下)。会場は既存のホールを用いるようですが、CG画像を見る限り、ブランドの個性があまりない統一的な外観のブースを考えているようです。しかし、実際に開催されるまではなんともいえませんが。



文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata


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