High complication watchesハイコンプリケーション“実用化”の謎を追う。 03

2019年からスタートした話題の新コレクション「コード 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の最高峰モデル。澄み切った美しい音色を大きな音で奏でるミニッツリピーター機構「スーパーソヌリ」を搭載。反響板にゴングを取り付け、その上からサイドに穴をあけたケースバックで固定。楽器のように音を増幅させるため、雑踏の中でも音が聞こえる。さらには20mの防水性能を備えており、日常使いの時計としても十分に機能している。

ムーブメントの厚みが1.95mmしかない極薄のトゥービヨンウォッチ。ケースの厚みも5.38mmしかないため、シャツの袖口にもすっと収まり、着用感にも優れている。それだけでも十分に“実用的”なのだが、さらに新作モデルは、ケース&ブレスレット素材にカーボンシンプライ（CTP）を採用。強靭でありながら、極めて軽い素材であるため、さらに着用感がよくなる。

現代社会の必須機構となったトラベルタイム。パテック フィリップの場合はケースサイドのプッシュボタンでセンター時針を動かし、ローカルタイムを調整しつつも、中空針でホームタイムを表示するという便利な機構になっている。極めて実用的だが、新作ではアラーム機能も搭載する。その機構はミニッツリピーターと同様に、ハンマーとゴングを備え、遠心ガバナーで調速をする。実用的だが高度なメカニズムの時計なのだ。