AUDEMARS PIGUETキャラクターウォッチの新たな表現を作り上げたオーデマ ピゲとマーベルの邂逅 01
15年前の夢をコンセプチュアルなプロジェクトへと結実させた
「ブラックパンサー」という選択
オーデマ ピゲ、マーベルのインスピレーションあふれるヒーローたちへのトリビュート──件名にこう記されたメールが届いたとき、複雑な気持ちになったことは否めない。今後何かしらのコラボレーションウォッチが発表されるであろうことは容易に想像できたものの、果たしてどんな時計が出来上がるのか見当もつかなかったし、何より腕時計とエンターテインメント、それぞれのジャンルで世界的に高い支持を獲得している両社だからこそ、単なる“人気者同士のコラボ”であってほしくなかったからだ。
今回のパートナーシップ提携は、オーデマ ピゲのCEOであるフランソワ-アンリ・ベナミアスと俳優ドン・チードルとの友情がトリガーになった。後日、筆者が聞いた話によれば、ふたりが出会ったのは約10年前。ベナミアスがチードルに自社の時計を勧めたことをきっかけに交友関係がスタートしたという。もっともベナミアスは、すでに15年前にはマーベルとのコラボを想像していたというから、かねてよりマーベル作品に対しては特別な思い入れがあったのだろう。
やがて2017年、ベナミアスが考えていたコラボレーションへの思いを直に聞いたチードルが、その場でマーベルに電話したことで、オーデマ ピゲとマーベルとのミーティングが実現。ベナミアスが長年抱いていた夢は、ついに現実のものとなったわけだ。
では、数あるなかから最初に時計のモチーフに選ばれるのは、どのキャラクターか? ことの経緯“だけ”を踏まえれば、チードル扮するウォーマシン(ジェームズ・ローズ)ということになる。たしかに、ウォーマシンはマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU=マーベル・コミックの実写映画およびテレビドラマで、多彩なキャラクターの世界が交錯するクロスオーバー作品群)において重要な役割を果たしてはいるものの、あくまでも名脇役的なポジション。それゆえにウォーマシンが選ばれるとは少々考えにくい。「やはり、アイアンマンやハルク、ソー、キャプテン・アメリカが妥当か?」などと思いを巡らせるなか、その答えはわずか1カ月足らずで明らかになった。
コラボレーションモデル第1弾のモチーフとなったのは、ブラックパンサー。2018年に公開された同名タイトルの映画に登場するキャラクターで、作品自体はアメコミ映画で初めてアカデミー賞の作品賞にもノミネートされている。
そのセレクトは意外ではあったが、合点がいくものでもあった。というのも、両社のパートナーシップ提携に際し、オーデマ ピゲは非営利団体の「ファーストブック」や「アショカ」との長期提携も発表。つまり、マーベルとのコラボレーションを通じて子供や若者たちをサポートする姿勢を表明したもので、これはワカンダ国王のティ・チャラ(ブラックパンサー)が人類共存のために国際支援センターを設立するという映画のストーリーにも通じるからだ。
MCU作品のなかでもトニー・スターク(アイアンマン)の良き理解者だったジェームズ・ローズ=ドン・チードル。彼のサポートを得て、フランソワ-アンリ・ベナミアスが15年前に描いたビジョンが実現したのは、まるで映画のストーリーのよう。しかも、単に“人気者同士のコラボレーション”にとどまらず、明確なコンセプトを持ったプロジェクトへと結実したわけである。
INFORMATION
オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)についてのお問合せは・・・
オーデマ ピゲ ジャパン株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座6-5-13
TEL: 03-6830-0000
オーデマ ピゲ ブランドページを見る