Romain Gauthier徹底した“磨き仕上げ”を高級機械式時計の必須条件とするローマン・ゴティエの信念
第2作目「ロジカル・ワン」で
2013年GPHG受賞の快挙を成す
ローマン・ゴティエさんがふたつめの自社設計・製造ムーブメントを完成させたのは、2013年のCal.LogicalOne。これを搭載したモデルが「ロジカル・ワン」である。当モデルには彼の再解釈によるチェーンフュジー機構が組み込まれており、特徴はチェーンフュジー機構特有の円錐形歯車ではなく、スネイルカムによるフラット機構である点。またチェーンリンクの採用で大幅に摩擦を削減し、巻き上げはプッシュ式という点も独特である。
この時計により彼は同年、時計界のアカデミー賞とも称されるジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG=Grand Prix d’Horlogerie de Geneve)の男性複雑時計部門でグランプリを受賞。会社創立から8年目のことだ。精密機械部品のエンジニア出身で、時計師としての教育を受けず、小規模の独立工房からスタートした経歴を考えると、これは大変な快挙である。
精密機械部品のエキスパートゆえに、おそらく彼は高級時計の必須条件のひとつに、パーツの徹底した“磨き仕上げ”を特に重要視していたと思われる。高級時計=宝飾時計という通念は1980年代以降、フランク・ミュラーなどによる機械式複雑時計という概念の登場で過去のものとなった。そしてさらに現在は個々の部品の加工精度に加え、徹底した磨きが必須条件になっている。これがゴティエさんの主張だ。ちなみに加工精度では、彼の工房が製作するパーツの加工精度は±2ミクロン、これは1000分の2mmという数値である。
この“磨き抜く”という仕上げの技術は、組み上げた時の時計精度に密接に関係するのは確か。それと同時に外的美観を追求することで、高級品としての価値をより一層高めることになる。何よりも手作業であることが必須。複雑な形状を持つブリッジや、メインプレートの受け石を置くほぞ穴など、到底機械では追い込めない隅々にまで完璧に仕上げるには、人間の手に頼らざるを得ないからだ。
取材・文:田中克幸 / Report&Text:Katsuyuki Tanaka
写真(東京・マスタークラス):吉江正倫 / Photos(Master Class in Tokyo):Masanori Yoshie
協力:スイス プライム ブランズ株式会社 / Special thanks to SwissPrimeBrands
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