2024 New Model ｜ TUDOR
2024年チューダー新作　ブラックベイ

【編集顧問田中克幸ピックアップ】

　チューダーで最も多彩なモデル数を誇る「ブラックベイ（BLACK BAY）」より新色のモノクローム・バージョンが登場。バーガンディベゼルを備えた第一世代モデルは2012年に初登場。2016年にはマニュファクチュールキャリバーを搭載し、さらに2023年には3度目の進化を遂げている。当モデルはMETAS（スイス連邦計量・認定局）認定のCal.MT5602-Uを搭載。METAS認定マスタークロノメーターとしては2021年の「ブラックベイセラミック」を含めて3つめのモデルとなる。今回のモノクローム・モデルは2023年の第三世代に属し、漆黒のダイアルとロジウム仕上げのアワーマーカー＆針を装備。これは無駄を削ぎ落としたダイバーズの原点である。

BLACK BAY
ブラックベイ
Ref：7941A1A0NU
ケース径：41mm
ケース素材：ステンレススチール(ポリッシュ＆サテン仕上げ)
防水性：200m(660ft)
ストラップ：5列リンクのステンレススチール製ブレスレット(ポリッシュ＆サテン仕上げ)、チューダー“T-fit”クラスプ
ムーブメント：自動巻、Cal.MT5602-U(マニュファクチュール)、70時間パワーリザーブ(METASによって認定済み)、毎時28,800振動(4Hz)、25石、COSCによるスイス公認クロノメーター認定(スイス公認クロノメーター検査協会)、METASによるマスタークロノメーター認定
仕様：時・分・秒表示、ステンレススチール製60分逆回転防止ベゼル、ブラックのアルマイト加工のインサート、ステンレススチール製スクリュー式リューズにチューダーローズのレリーフ、ブラックダイアル、シルバーカラーのアプライドアワーマーカー、秒針停止機能による正確な時刻設定
価格：635,800円(税込)

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※価格は発表当時の情報になります。最新情報につきましては公式サイトをご確認ください。

2023年発表の「ペラゴス FXD」に搭載された自動巻きCal.MT5602の派生型で、同年発表のバーガンディベゼル「ブラックベイ」にも採用されている自動巻きCal.MT5602-U（ちなみにチューダー初のMETAS認定マスタークロノメーターは、2021年に登場した「ブラックベイセラミック」搭載のCal.MT5602-1Uで、これはCal.MT5602-Uと同設計だがブラックに色付けされているため異なるキャリバー番号が付けられている）。おさらいすると、チューダーのマスタークロノメーターは2021年の「ブラックベイセラミック」（Cal.MT5602-1U）、2023年のバーガンディベゼルの「ブラックベイ」（Cal.MT5602-U）、そして今回の「ブラックベイ」モノクローム・バージョン（Cal.MT5602-U）の3モデル2キャリバーになる。つまり2021年にはすでにCal.MT5602-Uは完成しており、そのブラックバージョンであるCal.MT5602-1Uから優先的に搭載し、Cal.MT5602-Uはあえて2年後の2023年に採用した、ということが推測できる。スイスでも比較的新しい当検定基準は、当初先行使用するオメガ独自の印象が強かったが、公的基準であることをチューダーは2021年に証明した。その精度基準は「ブラックベイ 58 GMT」の記事を参照して頂きたいが、METAS認証精度の検査には(1)スイスメイド　(2)COSC認定クロノメーター、というふたつの必須の前提条件がある。これはスイス連邦政府制定の法律（スイスメイドの規定）をさらに押し進めた意向が働いていると思われる（詳しくはスイス時計協会 FHの公式HPをご覧ください。https://www.fhs.jp/jpn/swissmade.html）。Cal.MT5602-Uの特徴のひとつに高精度を実現する両持ち式のトラバーシングブリッジ（Traversing Bridge：時計精度を決定付ける天輪を支持するブリッジ。安定性と耐摩耗等の経年劣化に強い素材を使用。ロレックスでも使用されている）による可変慣性テンプの保持が挙げられる。精度はケーシング状態での日差0～＋5秒（5秒）、15,000ガウスまでの耐磁性能、またチューダーが呼称する“ウィークエンドプルーフ（週末耐性）”機能の70時間パワーリザーブを実現（METASにより認定済み）。ムーブメント直径31.8×厚さ6.5mm、25石。

公式HPによれば「ブラックベイ」には「54」、「58」、「ブロンズ」、「クロノグラフ」、「P01」等9つのコレクションが用意される（2024年6月現在）。今回のモノクローム・モデル「ブラックベイ」に用意されるブレスレット（ストラップ）は計3種類。ステンレススティール製ブレスレットは、すべてサテンブラッシュド仕上げの3列リンク（写真・左）とブラッシュド＆ポリッシュ仕上げの5列オーバル型リンク（写真・中）の2種類。残りは3サイズ用意されたブラックラバーストラップだ（写真・右）。スポーティな装いを好むなら3列リンクタイプ、ドレッシーな雰囲気には5列リンクが適している。あるいは本格的なマリンスポーツ等に挑むならラバーという選択もある。ブレスレットとラバーいずれにもセルフアジャストが可能なチューダー“T-fit”クラスプが装備され、着用者自身が工具不要で8mmの長さを5段階で調節可能。クラスプにはセラミック製ボールベアリングが使用されているので、調節時の作動や着用時には滑らかな感触が得られる。一方のラバーストラップは3サイズの展開で、“T-fit”クラスプでの微調整に加え、3段階にカットして最適なサイズに調整できる仕様だ。