2023 New Model | MORITZ GROSSMANN
2023年 モリッツ・グロスマン新作 テフヌート シルバーフリクション
【編集顧問 田中克幸 ピックアップ】
時計職人モリッツ・グロスマンが生きた19世紀以来、ドイツ時計製造で継承されるシルバーフリクションコーティング技法。これはダイアルに手作業による銀摩擦メッキ加工を施すもので、当社では従来、限定品にのみ採用されていた。この特別技術を初めて定番化したモデルが「テフヌート シルバーフリクション(TEFNUT SILVER-PLATED BY FRICTION)」である。手作業による銀摩擦メッキの結果、ダイアルには繊細で滑らかなベルベットに似た質感が生み出される。いわば無形文化財的な遺産とも言えるだろう。ケース素材は写真の18Kローズゴールドとステンレススティールの2種類、当社の主力ムーブメントのひとつである手巻き式のCal.102.1搭載。
TEFNUT SILVER-PLATED BY FRICTION
テフヌート シルバーフリクション
Ref:MG-003516
ケース径:39.0mm
ケース厚:8.5mm
ケース素材:18Kローズゴールド
ストラップ:手縫いアリゲーター、18Kローズゴールド製ピンバックル
ムーブメント:手巻き、Cal.102.1(自社製)、毎時21,600振動、約48時間パワーリザーブ(完全巻上げ状態から)、22石(うち3石はネジ留め式ゴールドシャトンに使用)
仕様:時・分・秒(スモールセコンド)表示、ストップセコンド機能、シルバーフリクションコーティングダイヤル、手仕上げのブラウンバイオレットに焼き戻したスチール針、シースルーケースバック
予価:6,380,000円(税込)
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シースルーケースバックから鑑賞可能な自社設計・製造の手巻き式ムーブメントCal.102.1。「37 アラビック 」や「テフヌート レディ」にも採用されるモリッツ・グロスマンの主要ムーブメントのひとつだ。通好みの手巻き式ムーブメントが揃う当社だが、始まりは2010年9月発表の「べヌー RG」のファーストモデルに搭載された手巻き式のCal.100.0になる。基幹キャリバーはCal.100.1や、これにパワーリザーブ表示機能を加えたCal.100.2、デイト表示付きのCal.100.3、GMT機能のCal.100.8等が揃うが、すべて手巻き式だ。一方、初の自動巻きムーブメントは2019年初登場(プロトタイプは2018年発表)の「ハマティック」だが、これも19世紀の懐中時計時代に考案され、20世紀の自動巻き腕時計黎明期に出現したハンマーフレームを採用した。徹底して19世紀の時計製造精神を貫くその企業哲学には、本当に恐れ入る。
クローズアップした写真ではややざらつき感のある陰影に見えるが、肉眼では滑らかで肌触りの良いベルベットのような風合いを醸し出すシルバーフリクションコーティング。作業手順としては、まずダイアルへのインデックスやミニッツスケール、ロゴの手彫りから始まる(ダイアルの表面はあえて粗目に仕上げる)。次に手彫りされた部分へシルバーコーティングを弾くブラックラッカーを充填。最後がいよいよコーティング作業だ。それは銀のパウダーと塩、クリーム状のワイン石(ヴァインシュタイン、ワイン酒石酸)を水と混ぜ合わせることで出来る特別なペースト作りから始まる。さらにこのペーストを小さなブラシで取り上げ、何度もダイアルに擦り付けた後に表面を研磨し完成へと仕上げる。これら一連の作業が熟練職人の手に掛かると、写真のようなビロード感のあるダイアルが出来上がる。なおケース径は39mm。優雅で落ち着いたメンズ用腕時計という点では最適なサイズを採用しているので、筆書きのようなアラビア数字インデックスやブラウンバイオレットに焼き戻された針との調和がさらに美しいものとなる。
上の写真ではシルバーフリクションコーティングの一連の作業工程を説明したが、この写真はコーティングを行う前段階の作業風景を写したものである。その内容は手彫りされたインデックスやミニッツスケール、ロゴに充填されたブラックラッカーの余分な部分の取り除き作業だ。ブラックラッカーはシルバーコーティングを弾く素材性能があるので、上記のパーツの肝心な部分以外はラッカーは不要となるからである。シルバーフリクションコーティング技法を用いたダイアルは、モリッツ・グロスマン復興12周年記念モデルが初出(会社復興はグロスマン・ウーレン社=Grossmann Uhren GmbH設立の2008年)。その後は限定モデルにのみ採用されてきたが、本年(2023年)ついにレギュラー化した。
MODEL Catalogモリッツ・グロスマン モデルカタログ
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アトゥム(ATUM)
2015/03/11
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アトゥム(ATUM)
2015/03/11
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アトゥム(ATUM)
2015/03/11
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ベヌー・パワーリザーブ(BENU Power reserve)
2015/03/11
INFORMATION
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