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独自の発表形態を確立しつつある気になるブランドの新作状況

WPHH

フランク ミュラーの足跡と時計作り哲学などの紹介のひとつとして掲載されている「WPHH」のページ。開催日時等の情報は特に掲載されていないようです。https://www.franckmuller.com/story/wphh/



 ここまで2大時計見本市の現状を紹介してきましたが、これらの見本市には参加しないグループやブランドの新作発表状況も気になります。

 そこでまずスウォッチグループ。同グループでは2019年に傘下6ブランドによる新作発表会「タイム・トゥ・ムーブ2019(TIME TO MOVE 2019)」を開催しましたが、2020年は新型コロナの影響により中止。2022年の状況を日本のオメガ担当者に確認したところ、「3月中に本国発信によるオンラインでのプレゼンテーションを実施し、その後、新作が日本に到着次第、プレス向けのリアルなプレビューを行う予定」とのこと。これはオメガの現状ですが、他のブランドもほぼこれに倣うと思います。したがって2021年同様、「タイム・トゥ・ムーブ」は開催されないでしょう。

 また、フランク ミュラーを筆頭とするウォッチランド・グループによる新作展示会「 WPHH(The World Presentation of Haute Horlogerie)」は、スイス本社では開催を表明したものの、日本の総輸入元であるワールド通商への正式参加要請はないとのこと。したがって我々プレスとしても現地での取材を決断できない状況です。

 また、すでに大規模な時計見本市からの撤退を決めていたオーデマ ピゲやリシャール・ミルなどは、プレスや販売店向けにウェブとリアルの両方で、年間を通して新作の発表を行うというスタイルに、すでにシフトしています。

 というわけで、以前のような年に一度の祝祭としての時計見本市の開催は新型コロナの影響によって難しくなり、それと同時に時計見本市そのもののあり方が再検討されることで、各社横並びでの新作発表という形態が時計の世界から消えていこうとしています。

 とはいえ、新作時計の情報は販売店やプレスはもちろん、一般の時計愛好家にとっても興味ある情報です。我々Gressiveでも「時を巡る旅」と題した新作発表記事は重要なコンテンツであることは変わりはないので、各ブランドから新作の発表があり次第、年間を通して順次、掲載していこうと考えています。



文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata

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