新たな開催形態を模索する老舗見本市「バーゼルワールド」の現状
では、これまで世界最大規模の時計見本市としての存在を誇示してきた「バーゼルワールド(BASELWORLD)はどうでしょうか?
こちらは残念ながら2022年春に予定されていた開催がキャンセルされました。
彼らが発表したリリースにはこうあります。
「バーゼルワールドの主催者は新しいコンセプトの立ち上げに、より時間をかけます。したがって2022年春に予定されたバーゼルワールドは開催されません。新型コロナ感染症の状況悪化とそれに伴う不確実性により、新たなターゲットに対する新しいコンセプトを立ち上げることが困難だということを考慮に入れ、ターゲットを分析し、メーカーや小売業者と緊密に意見を交換して、マーケティングとニーズを深く掘り下げます」(筆者抄訳)
これを読むと「まぁ当然かな」とは思いますが、新型コロナの影響だけでなく、この“危機”をきっかけに、内包されていた問題や不満が一気に噴出し、事態の収拾と解決に至らなかった、ということでしょう。
私としても歴史ある時計見本市として「バーゼルワールド」の復活を望んでいますが、主要ブランドがすでに「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ ジュネーブ 2022」への参加を表明している以上、以前のようなステイタスを維持するのは難しいかもしれません。
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata