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Watch Person Interview vol.62  チャペック CEO ザビエル・デ・ロックモーレル、チェアマン ハリー・グール インタビュー

選び抜かれた少数精鋭サプライヤーの
水平統合で完成する現代のチャペック

最も「No.3430」のDNAを継承するが「No.33」

「ケ・デ・ベルク」コレクションは6モデルのバリエーションを用意するが、最も「No.3430」のDNAを継承するのが「No.33」。ホワイトゴールド・ケースのほか写真はローズゴールド・ケース採用モデル。ダイアルはグランフー(高温焼成)エナメルを備える。

  そしてついに2015年11月に、新生第1号モデルとして完成したのが「ケ・デ・ベルク(Quai des Bergues)」コレクションである。なお「ケ・デ・ベルク」とは、かつてチャペックが工房を構えたジュネーブ・レマン湖畔を流れるローヌ川沿いの通りの名称。


  コレクションは6つのモデルで構成されるが、代表的なものを挙げると、まず最も「No.3430」の正統後継機と言えるのが「No.33」。これは、ホワイトまたはローズゴールド・ケースにグランフー・エナメル(高温焼成エナメル)ダイアルと、「No.3430」と同じフルール・ド・リス(Fleur-de-lys=百合の花)・デザインの時分針を備える。次にケース素材を316Lよりも強靭なXOスチールケースを持つ「No.25」、さらにチタンケースとカーボン・ダイアルでよりモダンさを表現した「No.27」などが用意された。


  いずれも「No.3430」の最大の特徴である5時と7時の小ディスク・レイアウト、特に5時のダブルハンドは繼承されている。

   当然、ムーブメントCal.SXH1も新設計・新造であり、設計担当はハリー・ウィンストンの「オーパス10」などを手掛けた気鋭の独立時計師、ジャン・フランソワ・モジョン氏。ザビエル・デ・ロックモーレル氏は独立時計師のカリ・ブテライネン氏からモジョン氏を紹介されたという。「No.3430」のムーブメントと比較すると歴然だがCal.SXH1の設計は「No.3430」のムーブメントに忠実で、特にギア、バランス、オープンラチェット、ビラーホイール、香箱の基本レイアウトはほぼオリジナルを踏襲している。当ムーブメントは手巻き式を採用し、2重香箱で5時の表示計に対応する約7日間のパワーリザーブを持つ。


  外装部製造についても、ザビエル・デ・ロックモーレル氏のキャリアとネットワークが存分に発揮された。彼らの言うところの水平統合システム、すなわち知識・経験・技術に優れた協力サプライヤーのネットワーク化を図り、例えば前述のXOスチールは高品質スチールの生産に特化したモンタンシュトール社(Montanstahl AG)という、スペシャル・メーカーが担っている。


  こうして2016年に現代の時計界に返り咲いたチャペック。年間188本の第1エディションは完売の見込みで、すでに第2エディションの生産態勢に入っているようだ。伝説の時計師は数多存在するが、その中でもチャペックは正統派を地で行く骨太の時計として、時計愛好家必見の存在になることは間違い無い。

取材・文:田中克幸 / Report&Text:Katsuyuki Tanaka
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


チャペック(CZAPEK) についてのお問合せは……
株式会社ノーブルスタイリング
〒153-8580 東京都目黒区三田1-4-1 ウェスティンホテル東京 1F
TEL: 03-6277-1604

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