Watch Person Interview vol.52 エッフェル塔を素材にした 世界唯一の時計メーカー
1885年、ヴィクトラン・フレザード(Victorian Fresard)氏が時計工房をオープンしたのがサントノーレの創業。その後、創業家の名をとって「Fresard(フレザード)」という銘でモジュールや時計を製造していたが、やがて創業の地「サントノーレ」をブランドとし、1985年にはこれが正式社名となった。
以後、パリのエスプリ(精神)を込めたエレガントなタイムピースで地位を確立したサントノーレは、創業130年周年を迎えた2015年、パリのシンボルであるエッフェル塔がモチーフの新作「アートコード タワー エッフェル」を発表。今回、そのお披露目のためCEOのオリビエ・ビローさんが来日した。
「2015年は我々にとって重要な年です。まず1月にドバイでイベントを行い、創業130周年の記念モデルを中心に新作を発表しました。ここでは130本限定の6つのカテゴリーのコレクションを展示しました。
2月5日には地元のパリで発表会を開き、エッフェル塔をモチーフとしたモデルを発表しました。会場はアラン・デュカス氏の有名なレストランで、世界中からプレスやディーラーを招待しました。このイベントは、なによりも記念モデルのアイデアが寄って立つ場所で行ったことに意味がありました。
人々からの評価も高く、やはりエッフェル塔そのものを時計の素材に用いたことが大変驚かれましたね。そして“サントノーレは大きな会社ではないのに、なぜ、このようなモデルが作れたのか?”と質問されました」
確かにエッフェル塔をモチーフにするだけなら簡単だが、サントノーレの記念モデルには、実際にエッフェル塔に使われていた鉄骨が使われているのだ。どうしてこれが可能となったのか?
「130周年記念モデルの『アートコード タワー エッフェル』の開発は、4~5年前から進んでいました。そこで我々はエッフェル塔を時計の素材に使うことを考え、許可を得るために長く忍耐強い努力を惜しみませんでした。
その甲斐あって許可を得たのです。現在、サントノーレはエッフェル塔を時計に用いる世界唯一の時計メーカーであり、パリのアイコニックな建築物を時計材料に使うことで各方面から注目されています」
ただ、ちょっと心配なのはエッフェル塔は鉄製。それを時計に使って問題ないのか?
「我々は百年前のエッフェル塔に使われ、今は新しいものと交換された塔の一部である200kgの鉄骨を手に入れ、これでベゼルを製作しました。これにはPVDコーティングで塔のオリジナルカラーに非常に近いブラウンの色を付けて錆を防止しています。
このベゼルにはエッフェル塔を思わせる骨格の模様を刻み、同じ模様を文字盤とローター、リューズにも入れました。製造数は創業年にちなんで1885本としています」
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取材時、ビローさんが腕に装着していたのは2015年、注目の新作である『アートコード タワー エッフェル』のメンズ・モデルであった。
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『アートコード タワー エッフェル』購入者にもれなく進呈されるのは、このモデルがまさしくエッフェル塔の鉄骨を素材として作られたものであることを示した証明書。それぞれの固有シリアルナンバーがこの証明書には書かれている。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
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