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Watch Person Interview vol.51  日々、技術を磨き続ける ヴティライネン工房

日々、技術を磨き続ける ヴティライネン工房

  このような高度な作品を生み出すカリ・ヴティライネンさんに、自身の工房について伺おう。


「工房には16人のスタッフがいます。機械エンジニアも在籍し、装飾関係の職人は2人。熱処理や焼き入れしたあと仕上げもこの工房で行っています。

  もちろん、ダイアルも工房で製作しています。ギョーシェ・マシンもあり、33年の経験を持つ専任の職人もいます。

  ムーブメント(脱進機に使うルビー含む)は、メインスプリング、ヒゲゼンマイとルビー以外は自社製です。ただし、ヒゲゼンマイを自社製造することは考えていません。これは不可能と言ってもいいでしょう。

  ケースはサプライヤーに依頼することもありますが、大体のモデルは自社で作っています。

  もちろん、顧客の要望でフィニッシュを変えることがありますが、特に指示がなければストライプ装飾を施します。今回、持ってきたフロスト処理のモデルはオーダーによるものです。

  今後、デシマルリピーターのようなユニークピースは年に1個は作っていく予定ですし、GMTモデルはタウンインジケーター付きでワールドマップ・システムを搭載するモデルをエナメル仕上げで製作します。特注モデルも受け付けていますが、年間50本の総生産が限度です。これ以上は作りません。我々の工房はチームで、おのおのの技術向上も目指しながら作業しています。年間30~50本というのが、我々の能力と生産スピードに見合った数なんです」


  とはいえ、ヴティライネンさんは、単に注文を受けた時計だけを作っているわけではない。彼が見ているのは常に新しい技術や機構の開発だ。


「たとえばダイアルはビスでムーブメント側から固定しています。これによって、ムーブメントをミドルケースに固定したまま、ダイアルを脱着することができるのです。ですからベゼルと裏蓋を取り外すとすぐ作業に取りかかれます。つまり、リューズを抜かないので、ムーブメントに負担をかけないですむわけです。

  これだけでなく新作のアイデアはたくさんあります。ただし、まだ言えません。すでに次に向けての新作開発がスタートしていますよ」


取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi


Kari Voutilainen(カリ・ヴティライネン) についてのお問合せは……
株式会社ザ・キャラット(平和堂貿易株式会社内)
〒107-0052 東京都港区赤坂4-1-33赤坂中西ビル4F
TEL:03-3586-7363
>>カリ・ヴティライネン(Kari Voutilainen) 公式サイトはこちら


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