NORQAINスイス・ツェルマットでノルケインが発表した話題の新作「ワイルド ワン」の魅力に迫る 01

　2018年3月、スイス時計製造の中心地のひとつビエンヌに設立され、翌2019年1月には早くも最初のコレクションを発表した新進気鋭のスイス・ウォッチ・ブランド「NORQAIN （ノルケイン）」。

　そのノルケインが、去る2022年9月21～22日にスイス・ツェルマットを舞台に新作「INDEPENDENCE WILD ONE（インディペンデンス ワイルド ワン）」のローンチ・イベントを開催。Gressive編集長である私（名畑）もそのイベントに参加した。

　この新作発表会には、ノルケインの創立メンバーでありCEOのベン・カッファー氏はもちろん、2022年6月にノルケインの経営顧問に就任したスイス時計界のカリスマ経営者、ジャン・クロード・ビバー氏も登場。自らが開発に参加した「ワイルド ワン」について、いつものように溢れんばかりの情熱で紹介した。

　このJ.C.ビバー氏の熱弁ぶりには、スイス時計界の本格取材を始めた1990年代初頭からビバー氏の動向を追い続けてきた私も度肝を抜かれるほどエキサイティングなもの。この情熱がノルケインの「ワイルド ワン」にも確かに込められていることを確信した。

　9月22日に発表されたノルケインの最新作「ワイルド ワン」の特徴は、まず、すべての時計部品をスイス国内で製造し、組み立てから調整まで、あらゆる工程をスイス国内で行った“100%スイス製”のタイムピースであることだ。そして、第二の特徴は、驚くほどの軽さと耐久性の高さ。その背景には時計界に革命をもたらす独自の構造にある。

　パッと目に入る「ワイルド ワン」のケースは、ノルケインが“戦略的パートナーファクトリー”と位置づけるスイスの「BIWI（ビィウィ）」社と共同で開発した「NORTEQ（ノルテック）」という新素材を用いたもの。

　この「ノルテック」は、カーボンファイバーにバイオ由来原料を60％も含んだ高性能ポリマーマトリックスを融合させた新素材であり、圧倒的な軽さと強靭さを実現したものだという。

　この強靭なノルテック製のケースにサンドイッチされる状態で保持されるのが、ラバー製のショックアブソーバー（バンパー）。さらにこのショップアブソーバーの内側には、チタン製のコンテナに、ノルケインのマニュファクチュール・ムーブメント「Cal.NN20/1」が格納されている。

　これがビバー氏がいう“コンテナ・コンセプト’’であり、この独自の構造に基づいた多層構造と、ラバー製のショックアブソーバーによって、従来のステンレススチール製ノルケイン・ウォッチに比べ、約50％もの軽量化が可能となり、わずか84gという”軽さ“を獲得することに成功したのだという。

　もちろん、「ワイルド ワン」の高い堅牢性と耐衝撃性は、5000Gもの耐衝撃検査をらくらくとクリア。耐水圧機能も200mを保持している。

　この高い耐衝撃性と耐水性によって、「ワイルド ワン」は日常生活ではもちろん、スイミングやダイビング、サーフィン、登山やマウンテンバイク、スキー、スノーボーディングなど、アウトドアでのあらゆるスポーツ・アクティビティに対応する、まさに理想的なスポーツウォッチとして完成したのである。

　2022年9月22日のローンチ・イベントでは、ノルケインのアンバサダーである野生動物保護活動家ディーン・シュナイダー氏のシグネチャーモデルも発表された。

　ディーン・シュナイダー氏は、スイスの金融業界で活躍していたが、2017年に長年の夢であった野生動物の保護に人生を捧げることを決意し、すべてのキャリアを放棄して南アフリカに移住。野生生物保護区と動物のリハビリセンター「Hakuna Mipaka（ハクナ ミパカ）」を設立した人物。

　ローンチ・イベントには本人であるディーン・シュナイダー氏も登壇し、野生動物の保護活動と彼の新しい相棒である「ワイルド ワン ハクナ ミパカ」モデルについての熱い思いを語ってくれた。

　この特別な「ワイルド ワン ハクナ ミパカ」のダイアルは、ノーマルなモデルとは異なり、ライオンの毛並みを思わせる独特なパターンが刻まれたもの。そして、その6時位置には「ハクナ ミパカ」のシンボルである聖なる槍と盾のロゴが印されている。

　ただし、この特別なモデルはあまりの人気ですでにノルケインのオンライン ショップでは完売状態。正規販売店では引き続き予約が可能だというから、興味のある方は是非、問い合わせていただきたい。