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Gressive Premium グレッシブ キネマ倶楽部 第1回 英国MI6秘密諜報部員007 Part.1(01)

“女王陛下の腕時計”、オメガが放つ
ジェームズ・ボンド特別限定モデル

7,007本の世界限定版「シーマスター ダイバー 300 “コマンダー” ウォッチ リミテッド エディション」

7,007本の世界限定モデル「シーマスター ダイバー 300 “コマンダー” ウォッチ リミテッド エディション」。過酷なミッションを遂行するジェームズ・ボンドには、やはり精悍なシーマスターがふさわしい。まさに女王陛下の腕時計である。

  英国秘密情報機関のひとつであるSIS(Secret Intelligence Service)、通称MI6(Military Intelligence section 6/軍情報部第6課)に所属する秘密諜報部員、コードネーム007ことジェームズ・ボンド。1962年公開の『007 ドクター・ノオ(Dr.No)』(日本公開時の邦題は『007は殺しの番号』)より5人のボンド役を経て、現在はダニエル・クレイグが6代目を務めている。


  第25作目となる新作『Bond 25(仮題)』(2019年11月8日北米公開)が発表された本年(2017年)7月、第17作『007 ゴールデンアイ(GoldenEye)』(1995年公開)よりボンドが使用する、MI6制式採用時計を担当しているオメガ(OMEGA)より、極めてユニークな着想から生まれた限定版新作「シーマスター ダイバー 300 “コマンダー” ウォッチ リミテッド エディション(Seamaster Diver 300M "Commander's Watch" Limited Edition)」の発表イベントがロンドンで開催された。


  ジェームズ・ボンドは英国王立海軍中佐という佐官クラスの軍人であり、本新作のモデル名は同海軍の階級名である中佐(Commander/コマンダー)に由来する。特に今回はこの「海軍中佐ボンド」に着目し、過去のシリーズからボンドが海軍士官ブレザーを着用したシーンが収められた3作品を選出、同時にこれらの作品が2017年に各々周年記念作であることを謳ったもの。これは相当なボンドファンでなければ着目しないマニアックな視点である。


  その3作品とは、2017年に公開50周年を迎える第5作『007は二度死ぬ(You Only Live Twice)』(1967年公開。主演:ショーン・コネリー)、40周年の第10作『007 私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)』(1977年公開。主演:ロジャー・ムーア)、そして20周年となる第18作『007 トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)』(1997年公開。主演:ピアース・ブロスナン)。

  ここでボンドウォッチの変遷を簡単に振り返ると、初代ショーン・コネリーや1作のみ出演の2代目ジョージ・レーゼンビーの時代は、イアン・フレミングの原作に記述されているロレックスを使用している。3代目ロジャー・ムーアでは、時計に通信機能等を搭載した特殊メカニズムのセイコーが主に登場し、作戦遂行時の重要な兵器へと進化する。


  そしてピアース・ブロスナンが5代目ボンドとして登場した、1995年の第17作『007 ゴールデンアイ』以降、現在に至るまでMI6制式装備腕時計を担当するのがオメガだ。多少のスペック違いはあるものの、第24作『007 スペクター(Spectre)』(2015年公開)まで、すべてシーマスターが使用されている。


  秘密兵器研究開発部門Q課から支給されるオメガも、ブロスナンの時代では先代から引き継いだ形で、特殊メカニズムを装備した秘密兵器として活躍。そのモデルと機能だが、ブロスナン時代で採用されているのはすべて「シーマスター プロダイバーズ 300M」だ。


『007 ゴールデンアイ』では、ロシア新体制下に潜む犯罪組織ヤヌス・シンジケートの移動要塞ロケット列車からの脱出時に、時計の12時位置から発射されるレーザービームを使用。また次回18作目の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』では、シーマスターから外した起爆装置を手榴弾に装着し、ベゼル操作で爆破。さらに強力ライトと小型フックを内蔵したのは、第19作『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(The World is Not Enough)』(1999年公開)、第20作『007 ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)』(2002年公開)では、リューズからレーザービームを照射するなど、007危機一発の時に突破口を開く重要な必携装備品となっている。

構成・文:田中克幸、名畑政治 / Composition & Text:Katsuyuki Tanaka、Masaharu Nabata
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto


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