NORQAINデビュー二年目で実現したノルケインの新しいマニュファクチュール・キャリバー
「創業当初からキャリバー開発は
必須のプロジェクトと考えていました」
“デビュー二年目の新進ブランドがマニュファクチュール・キャリバー!”との一報に興奮冷めやらぬ中、同社CEOベン・カッファー氏が来日。新しいマニュファクチュール・キャリバーについてのインタビューが実現した。
まず最初に聞きたいのは、デビュー間もないノルケインがマニュファクチュール・キャリバーのプランを立ち上げたのはいつだったのか、ということ。
「実は2018年に創業し、すぐにプランがスタートしました。我々はまずエントリーレンジで独自のポジションを確立しましたが、すぐ次のステップに進みたいと考え、創業当初からマニュファクチュール・キャリバーの計画をスタートさせました。
そしてなによりもケニッシ社と組めたことは非常に喜ばしいことです。なぜなら両社とも若い会社で、同時に長期的に良い関係性を構築していけるからです。このようなムーブメント会社と何かを進められるなら、それはやがて非常に大きな力になるはずです」
今回、発表されたマニュファクチュール・キャリバーにはGMTとノーマルなセンターセコンド自動巻きの二種類があるが、これらはどちらが主導で開発されたのか?
「基本設計はケニッシ社。細部はノルケインのエクスクルーシブ(専用仕様)です。つまり仕上げと装飾がノルケインだけのものです。
ケニッシ社はチューダーが設立したムーブメント・ファクトリーですが、これらのムーブメントをグループ外で使えるのはノルケインだけです。このケニッシ社のムーブメントは性能と耐久性が証明されており、これが使えることはリスクを回避できるという利点があります」
ケニッシ社といえば、以前、ブライトリング副社長だったジャン・ポール・ジラルダン氏がディレクターとして采配を振るっているはずだが?
「ええ、もちろんケニッシ社との強い絆のひとつにはジャン・ポール・ジラルダン氏とのパーソナルなコネクションがあることは事実です。
とにかく今回のケニッシ社とのパートナーシップには両社の信頼関係が重要でした。ノルケインが新しいスイスの独立企業として伝統産業を継承し発展させていくことに、ケニッシ社が賛同したことで、ムーブメントの供給が決定したといってもよいでしょう」
「クロノグラフは重要アイテムであり
いくつかのプロジェクトのひとつです」
さて、これらのマニュファクチュール・キャリバーを搭載したモデルはいつ発売予定なのか?
「まず6月にスイス・ツェルマットでこれらのムーブメントを搭載したモデルを発表予定です。さらに9月には当社のフラッグシップとなるコレクションのひとつを日本で発表する予定になっています。その後、『インディペンデンス』や『アドベンチャー』、『フリーダム』という既存コレクションにケニッシ社製ムーブメント搭載モデルを発表していきます」
マニュファクチュール・キャリバーとなると気になるのは価格。従来より高額になるのか?
「価格はETAやセリタのムーブメントを搭載したモデルは2,000CHF(スイスフラン)以下で提供しています。ケニッシ製ムーブメント搭載モデルについては、まだ最終的な計算が完了していませんが、おそらく2,500~4,000CHF(30~45万円程度)に抑えられると思います。この価格も我々の強みになるでしょう」
ケニッシ社との提携により二種類の自動巻きムーブメントを発表したノルケイン。そうなると時計愛好家として次に期待していまうのがクロノグラフだが?
「それは良い質問ですね。もちろんクロノグラフを作るというプランはありますし、同時に動いているプロジェクトでもあります。
現在、我々はETAやセリタのクロノグラフを採用し、『フリーダム 60 クロノオート』はベストセラーになっていますから、当然、極めて重要なアイテムと認識しています。それがどうなるかは将来の話。『ローマは一日してならず』といいますから、腰をすえてじっくりと取り組んでいきたいと思います」
取材・文・写真:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi
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