BELL & ROSS2本目、3本目と思わず手を伸ばしたくなる“ベル&ロス・デザイン”のレシピ
物事の本質を理解することで生まれる
ベル&ロスの多彩な表情
ベル&ロスは実に不思議なブランドだ。1997年、ファースト・コレクションとなる「ヴィンテージ」で本格始動したベル&ロスは、2005年にその後の旗艦モデルとなる「BR01」を発表。以後、ヴィンテージ・コレクション、「BR01」を主軸とするインストゥルメント・コレクションともに、基本デザインをほとんど変えることなく次々と新モデルを発表し続けてきた。なかでも、航空計器をデザインモチーフに、スクエアのケースとラウンドのダイアルを組み合わせたインストゥルメント・コレクションは、今やブランドのアイコンである。
通常、インパクトの強いデザインの腕時計は1本手にすれば満足だ。しかし、ベル&ロスは違う。特徴的なデザインを維持したまま毎年リリースされる多彩なモデルは、そのどれもが新鮮なルックスを携えており、すでに1本を所有していたとしても、2本目、3本目と手を伸ばしたくなる、実に不思議な魅力に満ちているのだ。そんな“ベル&ロス デザイン”のカギを握るのが、共同創業者のひとりであり、ブランド創設以来クリエイティブ・ディレクターを務めるブルーノ・ベラミッシュ氏だ。
「正直な話、レシピはないんですよ(笑)。ただ、毎年何か新しいものを考え出すためには、必然的に新しいソースやアイデアが重要になってきます。そうしたインスピレーションの源はどこにでも存在するものですし、インスピレーションが湧く瞬間も、クルマを運転している時や雑誌を見ている時、さらには洋服を見ている時など、いろいろとあるのです。でも、それがいつ自分の頭の中に降りてくるかは全く分からないんですよ」
ベル&ロスのコレクションを眺めてみると、そのデザインモチーフは航空計器はもちろんのこと、レーシングマシンや古い潜水器具、ミリタリーウェア、さらにはエアレース機など、多岐にわたっていることが分かる。こうした、さまざまなソースから確実にインスピレーションを得るため、ベル&ロスのクリエイティブに携わる人間には求められる素質があるはずだ。
BR03-92 BI-COMPASS
BR03-92 バイ コンパス
レッドレーダーや高度計、昇降計など、さまざまな航空計器の表示スタイルをデザインモチーフにしてきたベル&ロスが2019年に取り入れたのは、無線によって自らの機体の位置や方位を探知する“ラジオコンパス”。ダイアル中央に回転式のディスクを搭載することでラジオコンパスの特徴的かつユニークなデザインを再現しながらも、時計としての実用性はしっかりとキープしている。
Ref:BR0392-IDC-CE/SRB
ケース径:42mm
ケース素材:マット ブラック セラミック
防水性:100m
ストラップ:ブラックラバー、ブラック ヘビーデューティ仕様シンセティックファブリック
ムーブメント:自動巻き、Cal.BR-CAL.302
仕様:時、分、秒、日付
限定:世界限定999本
価格:470,000円(税抜)
「大事なのは注意深く観察して、物事の本質を理解することです。例えばオフホワイトのプロダクトがあるとしたら、その色がどういった経緯で取り入れられたのかを分析して、その本質を理解する……といったように。そして、新しいコレクションが生まれる時にはふたつのアプローチがあります。ひとつはマーケティング的なアプローチで、市場の要望に応える形で作られるもの。もうひとつは『こうしたらいいのではないか?』というひらめきや発想から作られるものです。特に後者の場合は、自分自身の発想もあるのですが、マーケティング側の発想を具現するために、話し合いながら進めていくこともあります。では、こうした新しいアイデアのなかでも良いものとは何か? まずは現実的──つまり、達成できるものであること。そしてもうひとつは、すでにリリースされているコレクションを補完でき、しかもこれまでに発表してきたものと一貫性があること。大事なのはこの二点です」
取材・文:竹石祐三 / Report&Text:Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi
INFORMATION
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