ORIS「大切な市場である日本に直接アピールするため我々はオリスジャパンを設立したのです」
男性の健康を願う運動に賛同して生まれた
『オリス モベンバー エディション』

「オリスは過去に270種類以上の自社製ムーブメントを生産してきた実績がありますが、1985年から2014年までは自社での製造をお休みしていました。しかし、創業110周年を記念して再び自社製ムーブメントの生産を開始しました。その現在の後継ムーブメントがキャリバー111なのです」
そういいながらヘルツォーク会長が新しいモデルを取り出した。
「今日はせっかく来ていただいたので、新しいモデルをお見せしましょう。これがこの秋に発表する予定の『モベンバー エディション』です。
この時計は前立腺がんなど男性特有の疾病の早期発見・早期治療を促進しようという運動に協賛するモデルです。この運動を主宰する『モベンバー ファンデーション』は、2003年に“男性が若すぎる死を阻止する事で健康で幸せに長く生きていけること”を目的としてオーストラリアで設立された財団です。毎年11月には世界中で1200もの健康プロジェクトをサポートするため、これに賛同する男性はヒゲを伸ばし募金を募るのです。そこでオリスもこの運動に協賛し、11月のロンドンでこの新作を発表します。
まぁ、この他にもいろいろあるのですが、まだお話はできません。ただし、オリスは常に“発明すること”を一番に考えてきたブランドですから、機械式の気圧計や深度計をいち早く実現し、10日巻きの自社製ムーブメントやパワーリザーブのノンリニアインジケーターなど、他社がやらないことを真っ先に考え、製品に反映させてきました。これがオリスの哲学です。ですから目標としては1年に1件の特許を取ること。そして来年のバーゼルで新しいモデルを紹介できると思いますが、それまでは、まだお話しできませんね」
創業110周年を記念して再開した
自社製ムーブメント

「各国での人気モデルは、だんだんとそれほど大きな差がなくなっているように思います。たとえば『アクイス』はどの国でも人気がありますし、日本で人気の高い『ビッグクラウン』も、やはり世界的に重要が増えています。また、これまで中国ではクラシック・タイプの人気が根強かったのですが、最近はスポーティなモデルの人気が徐々に高まってきています」
すでに紹介したように1980年代の半ば、オリスは自社製造ムーブメントに搭載されたポインターデイト機構によって日本での人気を獲得した。それ以降、オリスは自社製ムーブメントの製造を休止していたが、創業110周年を迎えた2014年、久々に自社開発&製造によるムーブメントを発表。それが「Cal.110」である。
このムーブメントは手巻きによる10日間のパワーリザーブを保有し、特許取得のノンリニアパワーリザーブインジケーターを搭載する美しく高機能なムーブメントとして多くの時計ファンの心を捕らえた。現在、このコレクションはどのような評価を得ているのか?
「Cal.110は、他のブランドならもっともっと高額になるはずですが、リーズナブルな価格で提供したことにより、どの国でもとても評価は高いですね。しかし、単に安くしたのではなく、ちゃんと根拠がある価格設定を我々が実現したのです。それが大切な点です。
我々オリスは1985年から2014年まで、ムーブメントの自社製造をお休みしていましたが、それまで110年の歴史の中では270種類以上の自社製ムーブメントを作ってきた実績があります。その技術を生かして2014年に110周年を記念して自社製ムーブメントを発表しましたが、他社製の汎用ムーブメントを採用する場合でも、自社製のモジュールを搭載することでコンプリケーション化しているモデルもあります」
と説明するヘルツォーク会長はオリスの長い歴史と技術的な蓄積に自信を見せる。
「たとえば現代のポインターデイト・モデルですが、かつてのアクリル風防はサファイアガラスに進化しています。しかも昔のモデルは日常生活防水でしたが、現在ではネジ込み式のリューズを採用し100m防水です。このように随所に新しく高度な技術を注入することで、過去の名作の復刻版を今後も継続していきます」
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『オリス アートリエ キャリバー 111』に搭載されるオリスの自社開発製造による手巻きムーブメントの「Cal.Oris 111」。10日間のパワーリザーブを秘めた大きな香箱がひときわ目を引くシンプルだが美しいムーブメント。直径34.00mm(15リーニュ)、21,600振動(3Hz)、40石、パワーリザーブ240時間、センター時分針、9時位置スモールセコンド、3時位置ノンニリアパワーリザーブインジケーター、日付表示、日付修正、ファインタイムチューニング、ストップセコンド
「バーゼルは我々にとって
世界の顧客と繋がる大切な場です」ところで2018年の時計界の話題のひとつに大手時計グループのバーゼルワールド離脱がある。スイスでも数少ない独立系時計ブランドであるオリスは、この時代の変化にどのように対応するのか?
「今でもバーゼルワールドはオリスにとって、世界の取引先やプレスとミーティングするための非常に重要な場ですが、現在ではウェブが発表の場になるなど、確かに時代は変わってきています。このような時代の変化の中で、ある意味、バーゼルは眠り続けてきたわけですね。ですから大きなグループが離脱することはやむを得ないかもしれませんが、ロレックスやパテック フィリップ、ショパール、LVMHグループなどは依然としてバーゼルに残ることを表明しています。もちろん、何か新たな時代に向けた変化の兆しはあるのですから、私はそれに期待しています。
ただし、我々オリスは世界的に見ても順調に売り上げを延ばす一方で、銀行からの借金もなく、我々の自己資金を投資することで自分たちの独自の道を進んでいきます。それが我々の哲学ですが、もちろん、これからのオリスのイメージも当然、変わっていくことでしょう」
確かな戦略と時計ファンの琴線に触れる魅力的なモデル開発。ヘルツォーク会長の言葉通りオリスは時代に即して変化しつつ、独自の道を着実に進んでいる。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro HoriuchiINFORMATION
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オリスジャパン株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目3-14 和光オリスビル
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