ORIS「大切な市場である日本に直接アピールするため我々はオリスジャパンを設立したのです」
「オリス ジャパンを設立した理由は、
自らブランドの哲学を伝えたかったからです」
1904年にポール・カッティン(Paul Cattin)とジョージ・クリスチャン(Georges Christian)によって創業したオリスは、手頃な価格ながら実用的な機能を備えた本格機械式時計で知られ、世界中の時計ファンから愛されているブランド。その人気ブランドがついに日本の現地法人「オリスジャパン」を設立し、これまで以上に精力的なアピールとマーケティング活動を開始した。その背景にはどんな思いがあるのだろうか?
「『オリスジャパン』を作った最も重要な理由は、我々が自分たちでブランドのイメージや哲学を知らせることに集中したかったからです。つまり輸入代理店は当然、他のブランドも扱いますから、オリスはそれらのひとつです。しかし、我々はそのポジションから脱し、一般のお客様により近い立ち位置をとりたいと思ったのです」
では、オリスにとっての日本市場はどの程度のポジションなのか?
「日本では以前、若く都会的なビジネスマンを中心にトレンドに敏感な方々がオリスを購入くださっていました。ところが最近は少し年齢層が上がり、どちらかというと保守的な方が主流になっていたように思います。しかし、オリスは他の国ではもっと若々しいイメージなので、できれば日本市場もこのイメージに戻したいと考えています。
また、日本はオリスにとってトップマーケットでしたが、現在は正直にいうとその地位が少し後退し、アメリカや中国に次ぐ市場となっています。それが少々、残念です。
しかし、クオーツ時計が全盛だった1985年から87年に、機械式時計の魅力をキチンと理解し、豊かな市場を形成したのは世界中でも日本が最初でした。私はそこでの評価のおかげでオリスが今日まで事業を継続できたと思っていますから、なんとしてもその時代のポジションに復帰させたいのです。
あの時代、東京とパリが機械式時計のトレンドを牽引していましたが、今はちょっとそれが失速している気がします。ですからもう一度、オリスが日本における人気ブランドとなることで若い感性を吸収したいのです。
繰り返しますが、世界的に見てオリスの人気が高いのはアメリカと中国で、ドイツやイギリス、フランス、日本がこれらに次ぎます。しかし『オリスジャパン』を設立したことで、すぐにそれらの市場をキャッチアップするでしょう。世界的に見て日本はオリスにとってのトップスリーの市場に入るべきです」
「世界で最初にオリスの魅力を認めたのは
他ならぬ日本市場だったのです」
ヘルツォーク会長の言葉通り、オリスの人気が日本で最初に爆発したのは1980年代の半ば。当時、高精度で手頃な価格のクオーツ時計が全盛を極め、スイスや日本の時計メーカーは機械式時計の生産を縮小あるいは停止する中、手頃な価格ながら他社にはないポインターデイト機構を備える自社製ムーブメント(当時はこんな言い方をする人はいなかったが)搭載モデルをラインナップするオリスは、機械式時計の入門ブランドとして多くの若者の支持を得たのだ。
ここで歴史を紐解くと、ポインターデイト機構がオリスにとって非常に重要なメカニズムだったことがわかる。この機構を最初に採用したのが1938年。これがオリスの代表機構となり、1941年には大型のリューズを装備する『ビッグクラウン』を発表。これもまたオリスの特徴として世界的な人気を獲得した。
これらの特徴的なメカニズムや意匠は現代も受け継がれ、定番モデルとして高い人気を維持する。
「我々の特徴のひとつであるビッグクラウンの、基本コンセプトはかつてのモデルと共通ですが、デザインとサイズはアップデイトされています。しかし、ご存じのように80年代のモデルは現在より直径が小さく、それはそれで優れたバランスでしたから、今後はかつてのような小振りなモデルも作っていこうと思います」
もちろん、オリスにはポインターデイトやビッグクラウンだけでなく、人気のコレクションがある。
「その他のコレクションでは、『ダイバーズ65』や『アクイス』などがあり、こちらも日本で人気なので引き続きアピールしていきます」
オリス ビッグクラウン ポインターデイト
オリスの開発によるポインターデイト機構を搭載する自動巻きモデル。落ち着いた色合いのカラーダイアルが日付を針で示すポインターデイト機構と絶妙のマッチングを見せる。
Ref.:754 7741 4065-5 20 63
ケース素材:SS
ケース径:40.0mm
防水性:5気圧
ストラップ:レザー
ムーブメント:自動巻き、Cal.Oris 754(SW200-1ベース)、26石、パワーリザーブ 38時間、ポインターデイト
仕様:シースルーバック
価格:175,000円(税抜)
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro HoriuchiINFORMATION
オリス(ORIS)についてのお問合せは・・・
オリスジャパン株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目3-14 和光オリスビル
TEL: 03-6260-6876
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