Watch Person Interview vol.66 フォルティス CEO マクシミリアン・スピッツィ インタビュー
バーゼルワールド2017未発表の
新コレクションを日本で発表!
1912年、スイス・グレンヘンにてヴァルター・フォクト(Walter Vogt)が創業したフォルティス。2012年には創業100周年を迎え、東京でも過去の傑作を集めた展示会を開催。また、その翌年(2013年)には新CEOが着任した。
この時に着任したCEOが、1980年生まれのマクシミリアン・スピッツィさん。先頃、彼が再び日本を訪れ、2017年のバーゼルワールドでは発表されなかったモデルを含む新作のお披露目を行った。
「今回の来日のもうひとつの目的は、日本市場の視察(市場調査)です。ですから新作を発表したこの展示会のあと、地方のフォルティス旗艦店を訪ねます。実は東京以外のエリアを訪ねるのは初めてなので、非常に楽しみにしています。
ただし、2日で4つの都市を回り、4~5軒の旗艦店を訪ねる予定ですから、結構、タイトなスケジュールですね」
では、来日の第一の目的である新作を紹介していただこう。
「今回、発表するのは新しい『ストラトライナー』です。
この新しいコレクションでは、ステンレススチール製ベゼルのモデル『ストラトライナー スチール』と、ブラックのセラミック製ベゼルの『ストラトライナー ステルス』があり、ホワイト・ダイアルは“a.m.”、ブラック・ダイアルは“p.m.”というネーミングになっています。
さらに限定モデルとして、ホワイトのダイアル前面に蓄光塗料を塗布した『ストラトライナー パラボラ リミテッド・エディション』と、バーゼルではご覧いただけなかった『ストラトライナー オールブラック リミテッド・エディション』があります。
なぜ、我々にとって、このモデルが重要かというと、『ストラトライナー』の命名の原点である“ストラトスフィア(stratosphere)”が成層圏(せいそうけん)を意味するからです。つまり成層圏とはアウトスペース(外宇宙)と大気圏内の境目なのですね。
フォルティスには宇宙をテーマとしたコレクションが存在しますが、これは宇宙での使用に特化したモデルです。しかし、今回発表した新コレクションでは、それよりも地球に近い成層圏をテーマに開発されたものなのです。
もう間もなく成層圏を通っての飛行もスタートしますし、成層圏は将来、さらに重要になってくるでしょう。したがって、フォルティスの『ストラトライナー』には非常にクリアなメッセージが込められているのです」
これからの展開が期待される
成層圏の利用を見据えたモデル
では、この新コレクションには具体的にどのような特徴があるのだろうか?
「たとえば宇宙では、太陽の当たっている部分とそうでない部分の温度差が非常に激しいのですが、成層圏では高温に対する要求はそれほど高くはありません。ですから成層圏に対応するためには、フォルティスの従来製品である『コスモノート』のケースであれば十分に有効だと言えます。
1960年代、フォルティスは初めて『ストラトライナー』というモデルを製作しましたが、これが今回のコレクションのオリジナルです。それはロッキード社とのコラボレーションから開発されたものですが、ロッキード社は1950~60年代に成層圏飛行を実現した会社でした。もちろん、それは軍事目的でしたが。
当時、ロッキード社は同社が開発したステルス機で成層圏飛行を行いました。ステルス機とはレーダーに感知されない航空機であり、今回の限定品である『パラボラ』という名称や『オールブラック』モデルの由来ともなっています。
そして新作では、オリジナルと同じくスクリュー式のガードが付いたプッシャーを採用しています。
また、この新コレクションは非常にフラットでオープンなデザインになっており、『コスモノート』と比べると、より一層、視認性に優れ、時刻が読み取りやすいデザインです。つまりユーザー・フレンドリーな時計ですね。
ただし、外見はとてもシンプルですが、詳細に見ると、さまざまな工夫が施されていることがわかるはずです。
新作については2017年の9月に出荷を開始し、10月から販売をスタートさせる予定です。
さらに、この新しいコレクションでは新商品をこれからも開発していきます。今後、宇宙旅行が盛んになるに従って、こういったタイプのモデルを作るメーカーが増えていくと考えられます。しかし長年、宇宙飛行士のための腕時計を作ってきたフォルティスとしては、その経験を踏まえ、成層圏飛行にはどんな要素が必要かをじっくりと考え、それに対応する新たな機能を、順次加えてコレクションを発展させていきたいと思います」
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:山下亮一 / Photos:Yamashita Ryoichi
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