Watch Person Interview vol.64 クロノスイス 最高経営責任者 オリバー・エブシュタイン インタビュー
クロノスイスのDNA継承モデル、
レギュレーターに集中特化
2012年にクロノスイスの経営権を譲渡された、スイス人実業家オリバー・エブシュタイン氏。最高経営責任者となるや彼は即座に行動を起こし、同年には本社機能をスイス、ルツェルンに移転、翌2013年には本社内にアトリエを設置し、さらにこの年には新たな日本の輸入代理店も決定した。
あれから5年経った本年2017年7月、来日したエブシュタイン氏に今年の新作と最近のクロノスイスの活動状況を尋ねた。氏へのインタビューは2015年5月以来、ほぼ2年ぶりのことになる。
前回のインタビューでエブシュタイン氏は「クロノスイスのラインをクラシックとスポーツのふたつに絞り込み」「クラシック・コレクションは『シリウス(Sirius)』の名称で統合しました」と答えた。特に今年の新作でクローズアップされたのが、同コレクションのスケルトン限定モデル「シリウス フライング・グランドレギュレーター スケルトン リミテッドエディション(Sirius Flying Grand Regulator Skeleton Limited Edition)」だったので、インタビューはこの新作から始まった。なお、シリウスは時・分・秒針が各々独立した、かつての時計師が最終調整用に用いた時計=レギュレーター機能を搭載するコレクションである。
「レギュレーター=クロノスイスというのが、顧客にとって大変分かりやすい公式なのです。5年前には150モデルもあったコレクションを70モデルまで絞り込みましたが、この中で50モデルをレギュレーターが占めるのは、このような理由からです。一方、スポーツ・コレクションは縮小傾向にあり、その分、クラシック・コレクションを充実させる方針です。
さらに顧客の要望がいちばん高いのが、レギュレーターのスケルトン・モデル。といっても伝統的な細かな肉抜き加工を施したスケルトンではなく、新しいスタイルを模索しました。今回のシリウス フライング・グランドレギュレーターのダイアルでは、現代の自動車のパーツを思わせるようなデザインを試み、クロノスイス流のモダン・スケルトンが実現できたと思います」
モダン化は時計本体のみならず付属品にまで及んだ。
「ストラップを見てください。これは背ワニ(ホーンバック)を使用しストラップの中央が盛り上がったスタイルになります。硬い部分なので加工は難しいのですが、時計の個性は引き立ちます。背ワニを使用した理由は、私が父から譲り受けた紳士ズボン用ベルトにこの素材を使用したものがあったのですね。なぜこれを時計ストラップに使わないのだろう? と思ったのがきっかけ。ネイチャープロダクトの活用は、クロノスイスにとって良いことだと思います」
取材・文:田中克幸 / Report&Text:Katsuyuki Tanaka
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto
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