Watch Person Interview vol.56 「世界が高度に技術化するほど、 ランゲが実践する 手作業への愛が深まるでしょう」
「A. ランゲ&ゾーネでは、製造のほとんどが手作業であり、特徴的な機能や機構を提供しつつ、伝統的な技術を守り、デザインは非常に控え目です」(シュミット氏)
Wilhelm Schmid ヴィルヘルム・シュミット
1963年ドイツ・ケルン生まれ。アーヘン大学で経営学を学んだあと、BPカストロールを経てBMWに8年在籍。2007年より2010年まで、BMWの南アフリカにおけるセールス&マーケティング責任者として手腕を発揮し、本社ボードメンバーにも名を連ねた。2011年1月1日、Lange Uhren GmbH(ランゲ ウーレン ゲーエムベーハー)のCEOに就任。
思えばこの20年ほど、高級時計が常に話題となり、メディアにも大きく取り上げられてきた。このような活況が今後も続くとシュミット氏は考えているのだろうか?
「私が確信を持って言えるのは、将来も高級時計そして機械式時計の人気は絶対になくならないということです。世界が技術化すればするほど、A. ランゲ&ゾーネのような、手作業への愛が深まるでしょう。そして、これを愛好する人々は、絶対にいなくならないと思っています。
もちろん、150年後にどうなっているかは、私にはわかりませんし、それを語るとファンタジーになってしまいますが、私はA. ランゲ&ゾーネの時計師の代わりになるようなマシンが生まれるとは、絶対に思いません。それは確信しています。
A. ランゲ&ゾーネの仕事は非常に多彩で変化が多いので、ひとりでいくつもの作業をこなさなければなりません。このような万能の技術を備えた時計師に匹敵し、それを越える仕事ができるマシンができるとは、到底、思えないのです。
もちろん、シンプルなムーブメント程度なら組み立てられるマシンはできるかも知れません。しかし、A. ランゲ&ゾーネが求める品質を満たすマシンは作れないでしょうね」
自動車業界からの華麗な転身によって確かな成功を獲得したシュミット氏。彼にとって、そして人々にとって、高級時計とはどのような存在なのだろうか?
「世界には、いろいろなタイプの時計愛好家がいらっしゃいますが、やはり『いつかこの時計を買おう!』と思った時、資産とのバランスがとれていないと手に入れることは難しいでしょう。
しかし、そのバランスが取れた時、候補とブランドのひとつに、A. ランゲ&ゾーネがなれたなら、それ以上の喜びはありません。
そして今や、A. ランゲ&ゾーネは、私の人生そのものです。同時に、A. ランゲ&ゾーネを通して出会う人々、つまり時計を購入する顧客や、我々の歴史や新作を取り上げてくれるジャーナリストの方々など、そのすべてが私の人生に関わる大事な存在ですね。
そして、私が本当に嬉しく感じているのは、世界中のさまざまな方が、A. ランゲ&ゾーネのメッセンジャー、あるいは守護者として貢献してくれることなんです」
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
A.LANGE & SÖHNE(A.ランゲ&ゾーネ) についてのお問合せは……
A.ランゲ&ゾーネ
〒102-0083 東京都千代田区麹町 1-4 半蔵門ファーストビル
TEL:03-4461-8080
>>A.ランゲ&ゾーネ(A.LANGE & SÖHNE) 公式サイトはこちら
>>A.ランゲ&ゾーネ(A.LANGE & SÖHNE) のGressive掲載ショップはこちら