Watch Person Interview vol.53 「やがてコネクテッド・ウォッチは 誰もが生活に欠かせなくなるはずです」
2015年11月12日、スイスの高級腕時計メーカーがIntelおよびGoogleのAndroid Wearと共同開発した初のウォッチ「TAG Heuer Connected(タグ・ホイヤー コネクテッド)」を日本でも発売を開始し、話題沸騰のタグ・ホイヤー。そんな中、スイスのタグ・ホイヤー本社ジェネラルディレクターのギィ・セモン氏が来日した。
大学で物理学とエンジニアリング科学の博士号を取得したというセモン氏が時計界に入り、開発の開発に携わるきっかけは何だったのだろうか?
「それはまったくの偶然です。特に戦略的に考えて、この業界に入ったわけではないのです。私の出身地はフランスですがスイス国境に近い地方でした。そして私の母方の先祖の何人かが時計業界で働いていたという繋がりがありました。
最初に私が関わったのは、2004年の『モナコ V4』です。この駆動ベルトを作るのに、まったく新しい発想と技術が必要だったのです。
非常に興味深かったのは、有名な時計師の誰もが、“この開発は絶対に不可能だ”と断言したのですが、私は決して不可能ではなく、必ず達成できると考えていたことです。
つまり、未知と不可能を混同してはいけないのです。未知だからといって必ずしも不可能ではないのです。
時計には、さまざまな課題があり、それらが絡み合い、解決しなければならない問題点に満ちあふれています。タグ・ホイヤーの魅力とは、その課題を解決し、常にイノベーション(改革)を続けてきた点にあります。タグ・ホイヤーは、その改革精神に基盤があるブランドであり、私のように革新的なことに興味を持つ人間にとっては理想のブランドなのです」
改革精神に溢れたセモン氏。今、彼が注目しているのは、もちろんコネクテッドウォッチだという。
「私はタグ・ホイヤーのディレクターとして携わる分野が広く、すべてのジャンルに関心を持っていますが、もっとも刺激を受けるのは革新的な開発ですね。
今回、発表したコネクテッド・ウォッチは、とても難しく複雑なジャンルです。
これまでの時計作りとはまったく異なり、新しい技術と技術者が必要です。我々がこのジャンルに力を注ぐ理由は、ここにあります。
つまり、今までは時計作りの世界は機械式とクオーツのふたつでしたが、コネクテッド・ウォッチは第三の軸として加わってきたのです。
私はこの新しい軸に将来性があると自信をもって断言できます。今はまだその可能性は未知数ですが、半年後か一年後かはわかりませんが、誰もが絶対に買いたいと思うようになるのは時間の問題でしょう。
そして、コネクテッド・ウォッチは、将来的には今以上のことができるようになるでしょう。やがて誰もが、これを腕につけて活用することが日常生活に欠かせなくなるはずです。たとえばディナーに出かける時はドレッシーな時計を着けていくかもしれませんが、日常的にはコネクテッド・ウォッチを装着するようになるはず、と想定しています」
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
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