Watch Person Interview vol.47 時計、筆記具、革製品… すべての製品に継承される 伝統のクラフトマンシップ
日本への輸入がストップしたことで、我々グレッシブもSIHHにおける新作の取材を一時、停止したのだが、現在、パルミジャーニ・フルリエはどのような時計を作っているのだろうか?
「我々のコレクションは、毎年、3つのレベルでの開発を行っています。そのレベルとは、第一が一般的なタイムピース、第二が複雑時計、第三が工芸技術を駆使したものです。
2015年に発表した『トンダ 1950 スケルトン(TONDA 1950 SQUELETTE)』は、超高度な仕上げが特徴で、ムーブメント自体がデザインとしての美しさを持っています。その仕上げ作業はすべて手で行われており、あるひとつの工程だけで2人が担当して1週間もかかります。
また、『トリック カレイドスコープ(Toric Kaleidoscope)』という超高級複雑時計は、万華鏡のような構造を持ち、リピーターを搭載しています。このリピーターが鳴っている間、ダイアルにある装飾が回転します。
さらにガラス工芸で知られる「ラリック(LALIQUE)」とコラボレーションした『ル ジュール エ ラ ニュイ(Le Jour et La Nuit)』は、比類のない作品です。
これは懐中時計のムーブメントを使ったクロックで、いくつかのタイプがあり、使われているガラスの色が違います」
このような素晴らしいコレクションを生み出しているマニュファクチュール、パルミジャーニ・フルリエ。日本への再上陸にあたって、何か特別なモデルは考えているのだろうか?
「日本市場における独自の、あまり規模の大きくないコレクションを考えています。
しかし、やはり我々は時計コレクターや特別な顧客からの要望が多く、それぞれ特別な顧客に向けての作品を作ってきたので、多くの方がカスタマイズ・ウォッチという方向を求めていると思います。
これからは一般的なモデルだけでなく、超複雑時計のカスタマイズなど、こういった特別なものが欲しいという声が、どんどん増えていくでしょう。
ただ、こういったカスタマイズ・ウォッチは極めて高額ですし、これを注文する顧客は、自分だけの時計が世に広く知られることを好まない傾向があります。そこで、これを取材していただいて皆さんに見ていただくのが難しい状況です。
もちろん今、我々は販売店を新たに探しています。以前、おつきあいがあったショップで再スタートすることもあるでしょうから、新規のお店ばかりというわけではありません。現在、ブルーノたち日本のスタッフが販売店へのコンタクトを開始しており、おそらく10店舗ぐらいからスタートすることになるでしょう」
いよいよ始まったパルミジャーニ・フルリエの日本再上陸プロジェクト。グレッシブとしても、その動きに注目していきたいと思う。
ジャコさんが愛用している時計は、自社製品の『トンダ 1950(TONDA 1950)』ベーシックな三針モデルである。「パルミジャーニの主要な市場は、やはりヨーロッパ。そして東南アジア、中国、香港、アメリカや南米です。ただ、私はアメリカ、ヨーロッパ、アジアという三つの地域でバランスよく支持を獲得したいのです。そして、特にスイス時計にとって日本市場は歴史的に極めて重要なので、ブランドとして国際的に認知されたいのなら、日本市場の存在に注目しなければならないと考えています」
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『トリック カレイドスコープ』は、音で時刻を知らせるミニッツリピーターという複雑機構に加え、万華鏡を思わせるからくり機構をダイアルに備える作品。ダイアルの外周部はエナメル加工によって、透明感のあるブルーに彩色されている。
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パルミジャーニ・フルリエとラリックによるコラボレーション作品『ル ジュール エ ラ ニュイ』。高級時計の製造技術と宝飾・クリスタル技法を融合し、昼と夜のテーマに「ガイアの太陽」と「蛇」という2種類のクロックが製作された。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:山下亮一 / Photos:Ryoichi Yamashita
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