Watch Person Interview vol.45 時計、筆記具、革製品… すべての製品に継承される 伝統のクラフトマンシップ
現在、モンブランはスイス・ジュラ地方の二か所で時計の製造を行っている。それがル・ロックルとヴィルレだ。
「ル・ロックルとヴィルレは、それぞれが補完する関係にあり、その役割は大きく異なります。ル・ロックルは近代的な工房で、ここでは主に組み立てを行っています。一方、ヴィルレではムーブメントの開発やコンプリケーションの製造を行い、非常に伝統的な方法でグランドコンプリケーションを作っています。
ヴィルレには46人の時計師が在籍していますが、年間に1人が作れるのがワンピースだけということもあり、工房全体で年間に35~40個ほどのモデルを製造しています」
もちろん、モンブランには時計だけでなく、筆記具や革製品などもある。そして、筆記具はドイツのハンブルク、革製品はイタリアというように、担当する工房も各国にわたっている。
「我々は物作りの精神をドイツ、スイス、イタリアで継承していますが、それぞれの気質が異なるように、その精神もまた異なります。
たとえばイタリアで作られる革製品は、非常にクリエイティブ(創造的)で、その作業がとてもスピーディです。時計はもちろん、スイスですが、彼らは時間をかけて完全さを求めます。筆記具についてはドイツであり、そこでは先端技術を駆使し、チームには優秀な人が集まっています」
実は今回、ランベールさん来日のひとつの目的は、陸前高田市で、あの「奇跡の一本松」を素材に作られた特製万年筆を贈呈することにあった。
「奇跡の一本松」とは、2011年3月11日の東日本大震災による津波によって、そのほとんどが流されてしまった陸前高田市の松の中で、唯一、残った松のこと。高さ約27.5m、幹の直径90cm、樹齢約170年といわれるこの松は、潮の影響により残念ながら枯れてしまったが、復興のシンボルとしてモニュメント化された。
モンブランではこの奇跡の一本松の本物の枝を使い「マイスターシュテュック奇跡の一本松」限定版を製作。その113点分の小売価格の20%を寄付すると共に、シリアルナンバー1番を陸前高田市に贈呈した。
「我々モンブランは、遠く離れたヨーロッパにいても、この『マイスターシュテュック 奇跡の一本松』の誕生を通して、いつも心は日本の皆様の近くにいることを、どうか思い出していただきたいと願っています」
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贈呈式には、ゲストとして東北復興支援活動を行っているプロフィギュアスケーターの 安藤美姫さんが登場。安藤さんから戸羽太氏(陸前高田市市長)にシリアルナンバー1番の「マイスターシュテュック 奇跡の一本松」が贈呈された。左では陸前高田市公認キャラクターの「ゆめちゃん」が見守っている。
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はるばるドイツから駆けつけたランベールさん。「大変貴重な『奇跡の一本松』の本物の枝を素材として使わせていただく特別限定品万年筆を製作することは、私どもモンブランにとって大変光栄なことであると同時に、陸前高田市、ひいては日本の皆様のご期待を裏切るわけにはいかない、非常にエネルギーを要するプロジェクトでした」と語った。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
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