YATAGALLAS世界レベルを超越した究極のニキシー管クロック『YATAGALLAS』誕生物語 02
ジャパニーズ・クオリティを極め
百年続くブランドへ
一見、前世紀の遺物のような『YATAGALLAS』。だが、デジタル制御回路はブルートゥースでスマートフォンと連携し、時刻修正はもちろん、電極の焼き付き防止のため一定時間ごとに行うカソードクリーニングなどの作動も指示できる極めて現代的な機能を持つ。
また、クロックのキャビネット(筐体)も日本製。中野さんの前職時代から親交の深いプロダクトデザイナー垣花創(かきはな・はじめ)さんが設計を担当。素材は分厚いスチール、特殊ガラス、マホガニー、無垢のウォルナットなどを贅沢に使い、塗装は熟練職人が手がける。部品も吟味し、電源に高級オーディオ用ノイズレス・プラグを採用した。
「自分たちで作っていますが、やはり日本人って凄いと思います。私は失われつつあるけど未来に継承すべき技術や職人技を現代に呼び起こし、時代を超えて進化させたいのです」(中野さん)
世界に誇るジャパニーズ・クオリティ。中野さんは、これをさらにスケールアップさせることも考えている。それがニキシー管の国産化だ。
「現在、ニキシー管はチェコから取り寄せていますが、ダリボルに『日本でニキシー管を作ってもいいか?』と聞いたら『是非!』というので、彼にも協力してもらい自分たちの力でニキシー管を国内製造する企画を進めています」(中野さん)
チェコの起業家ダリボル・ファルニーさんと出会ったことで自らの思いをニキシー管クロックという形で実現した中野さん。だが、彼の夢は単にクロックを作ることではない。
「私には日本に本当の意味での超高級ブランドを確立し、その会社を百年続けたいという思いがあります。それが『JAEGER DOCSON』というブランド。もちろん、超高級ブランドが一朝一夕にできあがるとは思いません。まずはこのクロックを世に送り出しましたが、これが将来、アンティークとして評価されるかもしれません。そうなるためには、まず安全性と信頼性、つまり“ジャパニーズ・クオリティ”がどうしても必要だと考えています」(中野さん)
世間では“日本は終わった”という日本産業終末論が盛んに喧伝されている。しかし、本当にそうか? 凄い技術を持ちながら日本人はそれを上手に実体化しアピールするのが下手なだけではないのか? そんな思いをずっと持ち続けているクロック収集家の私にとって、『YATAGALLAS』の存在は実に心強く、これからもずっと応援していきたいと思うのである。
取材・文:名畑政治 / Text&Report:Masaharu Nabata
協力:イエガードクソン / Thanks to:JAEGER DOCSON
INFORMATION
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JAEGER DOCSON 株式会社
〒107-0062 東京都港区南青山1-14-71F
TEL: 03-6874-1955
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