STRAP WORLD東京・下北沢の工房が手掛ける “命が宿る”ハンドメイド・ストラップ
開店から3年。オーダーが絶えない
東京・下北沢の人気ストラップ工房
小田急線/京王線の下北沢駅から歩いて8分ほど。駅周辺の喧騒を離れた場所にカスタム・オーダーメイドのレザーストラップ工房兼ショップ「アーネストギャラリー」はある。2015年の4月に開店し、その後、雑誌やテレビでたびたび紹介されたこともあり、一般顧客はもちろん、ショップからのオーダーも絶えない人気店だ。
同店でストラップを製作するのは金森美典さん。大手ファッションビルで時計ショップの立ち上げに携わった後に独立し、時計のOEM生産を行うキャストプランニングを設立。そこで工場生産のストラップを販売したところ思いがけずヒットしたため、より品質の良いものを作ろうと決意し、オーダーメイド・ストラップの製作・販売をスタートさせたという。
充実の素材と細かいリクエストへの対応。
だから2本目、3本目とオーダーしたくなる
店内には素材のサンプル見本やたくさんの丸革が展示されているが、それだけではない。取り扱っている革について訊ねると、「クロコダイルは色が揃っていますよ」「オーストリッチの脚は独特の雰囲気で人気があります」「一度仕立ててみたらいい雰囲気だったのが七面鳥」といった具合に、店内奥からさまざまな革を出してきては見せてくれる。一般的なカーフから希少性の高いレザーまで、実に多彩な素材をストックしているのだ。
今回、ストラップをオーダーしたのは、当サイトの編集顧問・田中克幸。持参したのは、自身が所有するIWCの「Cal.89」を搭載する手巻きモデルと、オメガが1940年代に製造したイギリス軍用時計という2本のヴィンテージ・ウォッチだ。「IWCは元々付いていたバックルなど、活かせるパーツは活かしたい」「オメガはNATOタイプのストラップにしたい」といったリクエストを金森さんに告げて、まずは革選びからスタート。
素材の種類が多いので、初めてオーダーするときは目移りしてしまうが、「ストラップで使う革は、色目もしくは素材の質感で選ぶといい」と金森さんはアドバイス。今回、IWCはゴールドのケースに合わせてブラウン系から選ぶことになったが、その色味もバリエーション豊富だ。「明るい色でも、使っているうちに深みや落ち着きが出てくる」(金森さん)ので、エイジングした見本があればそれを見せてもらうのもいい。
「量産品だと型で抜いてミシンをかけるだけなのでストラップにはほぼ手が触れないのですが、ハンドメイドは製作中ずっと手に触れているので、それだけでエイジングしてしまうんです。それに縫製後は表面を磨くのでツヤが出ますし、湾曲させて立体的にするのでストラップ単体でも存在感が出てきます。そこが量産のストラップとハンドメイドとの決定的な違いですね」
革を選んだ後は腕回りを計測し、バックルのタイプや先端形状(丸形またはボート形)、ステッチの有無を決めていく。なかでもステッチは「革の色に馴染ませるのか、アクセントを付けるのかで選ぶ色が変わってきます」と金森さん。同店ではステッチの糸も、柔らかなニュアンスが出るシニュウ糸か、カチッとした雰囲気に仕上がる化繊かをセレクトできる。色だけではなく、仕上がりの雰囲気まで加味してステッチを選べるのだ。
バリエーション豊富な素材にはじまり、先端形状やバックルの種類、さらにコバの仕上げや裏革を撥水素材にするか(いずれもオプション)まで、自分好みに細かく仕様を決められるのがオーダーメイド・ストラップの魅力。とはいえ、初めての場合はどれが最良の選択なのか分からないことも多いはずだ。
「全くのノーアイデアで来店される方もいらっしゃいます。その場合、まずは時計本体の厚さで革を選び、針やロゴなど、時計にワンポイントで使われている色を入れるような提案をします。例えば、セコンドの色が赤であればストラップにも1個所だけ赤を入れるとか。せっかくのオーダーメイドですから、普通にオールブラックにするのはもったいない。誰が見ても『この時計のために誂えた』というのが分かる1本にしたいですよね」
INFORMATION
アーネストギャラリー(EARNEST GALLERY)についてのお問合せは・・・
アーネストギャラリー
〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-17-3 101
TEL: 050-1406-7883
アーネストギャラリー ブランドページを見る