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Gressive Impression Gressive スペシャル座談会 2017年の腕時計シーンを振り返って──。

革新と不変。それぞれの魅力を再確認させた
2017年の新作ウォッチ

革新と不変。それぞれの魅力を再確認させた2017年の新作ウォッチ

2017年1月のSIHHで、インパクトのある新作を発表したパネライ。ブランドが掲げたテーマのひとつである“革新”を代表するモデルが「パネライ LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック™ スリーデイズ 49mm」だった。

  • 編集長・名畑政治
  • 名畑:2017年のSIHHでは、パネライの「パネライ LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック™ スリーデイズ-49mm」が印象に残りましたね。実験的ではあるけれど、50年間メインテナンス・フリーを実現したモデルで、時計の正常な進化の方向としてはありじゃないかな。でも現実的な価格ではないから、今後はその技術を使いながら、どこまでコストダウンしていけるかがポイントになると思います。あとは、ジャガー・ルクルトの「レベルソ・トリビュート・ムーン」が好印象でしたね。

篠田:パネライもそうですが、特別な技術は翌年に転用したモデルが出るかどうかが重要。打ち上げ花火で終わらないようにしてほしいですよね。

  2017年を総括すると、価格のメリットも含めてステンレススチール製のモデルが増えたという印象。また“ユニセックス”といって、38mmや36mmサイズのモデルを展開し始めるブランドも増えましたよね。

  そんな中で、私が注目したのはゼニス。ジャン=クロード・ビバーさんが関わるようになったことで期待感もありつつ、一方で彼の色に染められてしまう怖さもあるなぁ……と。

  時計自体で印象に残ったのは、やはり、オメガの「1957 トリロジー」。バーゼルワールドで見たときに「いいなぁ」と思って、それから半年以上が経ちましたが、やっぱりいいと思う。いろんな時計が登場しては過ぎ去っていく中でもちゃんと残っていったのは、やはり魅力があるからでしょうね。


田中:私もオメガの「1957 トリロジー」を推しますね。特に「スピードマスター 60周年 リミテッド エディション」。帰国後にこのモデルの原稿を書いたのですが「何がなんでも欲しい!」というエモーショナルな気持ちが抑えられなくなりました。それにしても、トモグラフィー(断層映像法)という三次元スキャニングはすごい。復刻モデル製造における技術革命じゃないでしょうか。あとはグラスヒュッテ・オリジナルの「セネタ・コレクション」。長い試行錯誤の末、ようやくブランドのあるべきスタイルを発見した清々しさがある。

竹石:私が印象に残ったのはベル&ロスの「BR 03-92 ダイバー」ですね。同社がダイバーズ・ウォッチを発表したのは10年ぶりですが、ベル&ロスらしいルックスになっていた上に、角型でもしっかりと防水性を高めていたのが印象的でした。

  もうひとつは、ゼニスの「パイロット タイプ 20 エクストラ スペシャル」。2012年から「パイロット タイプ 20」をリリースし続けていますが、ケース径40mmで、しかもカラーバリエーションを展開したこのモデルで、幅広くアピールできるようになったのではないかと思います。


篠田:今年はカラバリ路線が多かったですね。


竹石: そうですね。その中でも、ゼニスの「パイロット タイプ 20 エクストラ スペシャル」は、ダイアルと同色のヴィンテージ・テイストのストラップを付けるなど、まとめ方も良かったと思いますね。価格も69万1200円と現実的ですし。

構成:竹石祐三 / Edit:Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎、江藤義典 / Photos:Ryotaro Horiuchi, Yoshinori Eto


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