GRAHAM新たなノーズアート・コレクションが示すグラハムのロック・スピリット
“本気の遊び心”が生んだ
チャレンジ精神あふれるコレクション
ブランドが発足してから6年後の2001年、「クロノグラフ(Chronograph)」と「空軍の飛行機(Fighter)」を掛け合わせたコレクション名を持つ「クロノファイター(Chronofighter)」は誕生した。デザインのモチーフとなったのは、第二次世界大戦時にイギリス空軍パイロットのために開発されたクロノグラフ。一見して分かるとおり、最大の特徴はケースの左側に装備された大型のコントロールレバー(トリガー)で、ケース径こそ当時の60mmから44mmへと現代のライフスタイルに合わせてサイズダウンされているが、視認性と操作性を両立させた腕時計としての特性はしっかりと残されている。
そもそも、グラハムというブランド名は、世界で初めてクロノグラフを完成させたイギリスの時計師ジョージ・グラハム(1673~1751年)の名前に由来する。ブランドの創設者であり役員でもあるエリック・ロト氏は、そんなジョージ・グラハムの偉業にちなんで、クロノグラフをブランドのトレードマークとして設定。さらに、ジョージ・グラハムの思想を継承するかのように「それまでの時計業界にないクロノグラフを製作する」という理念を掲げる。こうして誕生したのが「クロノファイター」であり、それはやがて、ブランドのアイコニックなコレクションとなった。
基幹コレクションである「クロノファイター」をベースに、グラハムのチャレンジングで独創的なマインドをさらに昇華させたピースのひとつが、2017年に発表された「クロノファイター ヴィンテージ ノーズアート」。かつて、パイロットたちの士気を鼓舞するために軍用機の機体に描かれたノーズアートをダイアルに用い、しかも一点一点ハンドペイントによって製作された“本気の遊び心”満載の限定モデルである。何故、ノーズ・アートのような遊び心のあるモデルが生まれたのか? そこにはエリック・ロトの、他とは違うこと、かっこよいこと、面白いことと言うグラハムの時計作りの哲学が反映されている。
もちろん、「クロノファイター」を筆頭とするグラハムのコレクションはいずれも大胆なデザインゆえ、必ずしもポピュラーな存在ではないだろう。しかし、ロックバンドAC/DCのボーカリストであるブライアン・ジョンソンや、ロックとテクノを融合したバンド、プロディジーのフロントマンであるキース・フリントといったミュージシャンたちがグラハムの時計を愛用していることからも分かるように、グラハムは“遊び心のある男性”たちをターゲットに、彼らの琴線を刺激し続けているのだ。
そんなグラハムのマインドは、タイムピースのみならず、ブランドをとりまくさまざまなファクターにも散りばめられている。2018年のバーゼルワールドで、グラハムは来訪するメディアに対し、新モデルの資料をまとめたプレスキットを音楽が録音されたカセットテープ型のUSBメモリで配布した。そこに込められているのは最新ノーズアート・コレクションのテーマ“1950年代のロックンロール”であり、さらにはグラハムの“ロックンロールな”アイデンティティさえもうかがえる。
文:竹石祐三 / Text:Yuzo Takeishi
写真:江藤義典 / Photos:Yoshinori Eto
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