SIHH2015 BAUME & MERCIER New Model2015年ボーム＆メルシエ新作情報

　総じて高価格帯のモデルが多く発表されるSIHHの中で、ボーム＆メルシエ（BAUME&MERCIER）の存在は貴重だ。1830年に創業し、一度も途切れることなく時計を作り続けてきた名門でありながら、価格帯にもこだわり、購入しやすいプライスゾーンを守っている。

　自社の歴史を大切にしており、アーカイブを手本とするクラシックモデルを展開しているため、全てのモデルに一貫性があるのも特徴だ。

　時計にもブランドにも派手さはないのだが、実はそれこそが強み。最大瞬間風速で稼ぐのではなく、コツコツと丁寧に時計を作っているので、安心感があるのだ。

　これは長い時間付き合っていく高級時計には欠かせない要素。そのため、結納返しとして選ぶカップルも多いそうだ。

　 2015年の今年の新作も、昨年までの流れを継続するような“熟成モデル”が多く見られた。主力となるのは、リニューアルされた「ハンプトンオーマティック」。さらに「クリフトン」には上位モデルが拡充されている。そして角型ケースの「ハンプトン」はサイズを小ぶりに変更している。どのモデルも大きなリニューアルは行わず、コレクションごとのスタイルをより明確にして、安心感を与える作戦だ。

　そういえば、ボーム＆メルシエのブースは、大邸宅を思わせるしつらえになっており、入口を入ると巨大なソファが出迎えてくれる。他ブランドと違って、用事もないのに座ってくつろいでいる人が目立つ。そういった“ほっこりとした”空気感も含めて、ボーム&メルシエの魅力になっているようだ。

＞＞＞クリフトンエイトデイパワーリザーブ (CLIFTON 8DAY POWER RESERVE)

取材・文：篠田哲生　Report&Text：Tetsuo Shinoda
写真：堀内僚太郎 Photo：Ryotaro Horiuchi
※表記は2015年3月現在のものになります。詳しくは各メーカーにお問い合わせください。
※2015年最新作レポートの掲載価格つきましては、税抜き表記を行っているものもあります。