新作を発表するたび、躍進とプロダクトの充実に磨きがかかっていくクエルボ・イ・ソブリノス(Cusevo y Sobrinos)。古きよき時代のハバナを彷彿とさせる独特の世界観、躍動感のあるラインナップをベースに、2009年も華やぎと独特の空気を醸し出すモデルが発表された。
特にブランドの伝統と技術の深みを見せるのが、「ヒストリアドール クロノグラフ」と「トルピード ヒストリアドール セマナル」である。前者は往年のクロノグラフムーブメント「Venus 188」を搭載し、クラシカルなムードと気品にあふれたスペシャル・モデル。そして後者は1940年代に、フォンテンメロウ社が特許を取得した機構をクエリボ・イ・ソブリノス(Cusevo y Sobrinos)が2年の歳月をかけて最新の技術で再調整を施し、高精度のオリジナルムーブメントとして仕上げたものを使用している。
全盛期に製造されていたオリジナルウォッチや歴史ある機構を見事再生させ、両者とも、ブランドの心意気と独創性にあふれた出来映えである。
また、「トルピード ピラータ」に新しく加わった「トルピード ピラータ オラス デル ムンド」は、SS、ブロンズ、チタンという異素材を組み合わせた個性的なケースはそのままに、非常にグラマラスなワールドタイムウォッチに仕上げた。
そして創業者であるラモン・イ・クエルボに敬意を表し、ダイヤルに彼のシルエットをデザインした「エスプレンディドス ドン ラモン デュアルタイム」も登場。
レディースでも、1940年代のアール・デコ・テイストとフェミニンな魅力をたたえた「アマポーラ」を発表し、特にカットワークが大胆なブレスレットを用いたブレスモデルは、クラシックでありながらも非常に斬新なシルエットが美しい。
ウォッチメイキングにこだわりながらも、メカニックに凝り過ぎず、ゆったりとした<ハバナ・タイム>を感じさせる、心地いい時計が揃っている。