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Glashütte Originalグラスヒュッテ・オリジナル マニュファクトリー体験記

時計の精度と完成度を決定する
アッセンブリの工程

ボールベアリングまで、グラスヒュッテ・オリジナルでは自社で製造

自動巻きローターの滑らかな回転を実現するボールベアリングまで、グラスヒュッテ・オリジナルでは自社で製造。ここまで自社内で行うマニュファクトリーも珍しいだろう。

  それぞれに完成した部品が次に送られるのが2階にあるプレ・アッセンブリの工房である。正確にはサブ・グループ・アッセンブリと呼ばれる工程であり、ここでは地板やブリッジへの穴石(人工ルビー)の固定やテンワへのチラネジの取り付け、カナ(ピニオン)への軸の圧入、自動巻きローターの軸受けであるボールベアリングの組み立て、自動巻きローター外周部への21金の錘の装着などが行われる。


 このようにユニットとして機能する部品をあらかじめ組み立てる工程であり、一見、地味に思えるが、その後に部品を受け取った時計師さんがスムーズに組みたてられるようにするための重要な部署なのである。


 こうしてユニットとして完成した部品を含むすべての部品が集められ、時計師に手渡されるのが3階の組み立て工房。


 ここで組み立てられるのはシンプルな三針モデルなどだが、このようなシンプルなモデルのムーブメントの組み立てに要するのは5~6時間ほど。そして完成したムーブメントに文字盤や針を取り付けてケースに入れ、各種のテストを受け、これに合格して初めて時計として完成することになる。


 さらに三針モデルとコンプリケーションの中間のモデルでムーブメント組み立てに数日、本格的なコンプリケーション・モデルでは数週間かかることもあるという。


 このような本格的なコンプリケーション、つまりグラスヒュッテ・オリジナルの「セネタ・コスモポリト」や「パノマティック ルナ」、「セネタ トゥールビヨン」などのトゥールビヨンあるいは永久カレンダー搭載モデルの組み立てを担当するのがコンプリケーション工房。この工房は社員から敬意を込めて「アトリエ」と呼ばれている。


 このようにして完成した時計は、グラスヒュッテ・オリジナル独自の社内検査が実施されている。その検査内容は8℃、23℃、38℃の温度変化と5姿勢(時計を置く方向)による精度検査、防水性やパワーリザーブなどがある。


 この時、グラスヒュッテ・オリジナルでは1日に生じる誤差をマイナス4秒、プラス6秒以内と定めている。これはスイス公認クロノメーター検定局(COSC)の基準と同等。つまり、グラスヒュッテ・オリジナルのマニュファクチュールから生み出される時計はCOSCの認定証がなくとも、自社で設定した厳しい精度基準に合格した高精度ウォッチなのである。

穴石の取り付け

ムーブメントの組み立て


世界の頂点に君臨するドレスデン直営ブティック

 ウィーン、パリ、ジュネーブ、東京、マカオ、ドバイなど、全世界で18店舗のブティックを構えるグラスヒュッテ・オリジナル。そのドイツ国内唯一の存在がドレスデン市内の聖母教会そばのテプファー シュトラーセにある、このブティックである。

 オープンは2012年。最大の見せ場は「マニュファクトリーウォール」と呼ばれる壁面の展示だ。これはケース内のムーブメントなどを、左右にスライドするルーペで拡大して観察できる装置。ここにはグラスヒュッテ・オリジナルが生産するマイルストーン(記念碑)的ムーブメントや代表モデルの文字盤、特徴的なパーツなどが並ぶが、この展示があるのは、ドレスデンのブティックだけという。マネージャーによれば「このブティックを基本として、可能な限り同じスタイルを全世界で展開したい」とのこと。もしドレスデンを訪れたら是非、足を運びたいスポットである。

取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
協力:スウォッチグループ ジャパン グラスヒュッテ・オリジナル / Thanks to:Glashütte Original


INFORMATION

グラスヒュッテ・オリジナル(GLASHÜTTE ORIGINAL)についてのお問合せは・・・

スウォッチ グループ ジャパン株式会社 グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座
〒104-8188 東京都中央区銀座7-9-18
TEL: 03-6254-7266


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