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LOUIS MOINET宇宙へのロマンを掻き立てる「ルイ・モネ」の世界 02

大宇宙の神秘を伝える
隕石の魅力と圧倒のデザイン

スペース レボリューション

「このブルーの『スペース レボリューション』のセンター時分針のベースには、ナミビアで採取された隕石が嵌め込まれている。また、別の『スペース ワン』では、スモールセコンドと30分積算計のベースに、中国に落下した隕石を搭載しています」


 ジャン=マリーさんの努力によって見事、現代に蘇ったルイ・モネだが、そのモデルには宇宙から飛来した隕石が時計の一部にはめ込まれているものが多い。なぜ、ジャン=マリーさんは隕石を多用するのであろうか?


「確かに永久カレンダーやリピーターなど、隕石を採用したモデルが数多く存在します。

 そのきっかけとなったのは、ある日、ミュージアムで隕石を装飾に用いた複雑時計を初めて見た瞬間でした。私はこのようなモデルを作ろうと思ったのです。なぜなら、それは必ず特別な時計になると考えたからです。

 たとえばムーンフェイズ・モデルなら、月から飛来した隕石を採用すれば、それは特別なモデルになります」(ジャン=マリー・シャラー氏)


 このような隕石はどうやって手に入れるのですか?


「それは隕石ハンターからですね。ある日、友人とパリで話をしているとき、彼には隕石探しをしている友人がいると聞いたのです。彼はルークさんといって、主に世界中の砂漠で隕石を探しています。

 彼によれば砂漠で隕石を見つけるのは簡単だそうです。なぜなら隕石は地球の大気圏に突入する際に黒く焼け焦げるので、すべてがベージュ色の砂漠でなら、簡単に見分けがつくからだそうです。ですから私が時計に採用する隕石の多くは砂漠からやってきたものです。価格ですか? それは難しい質問ですが、金銭で購入するときもあれば、時計そのものと交換することもあります」(ジャン=マリー・シャラー氏)


 今回、お持ちいただいた新作にも隕石は使われていますか?


「私が製作したルイ・モネのコレクションには30もの隕石が使われています。たとえばアルジェリアで2~3年前に発見された45億年前の隕石。これは超新星から飛来したもので、オリーブ色の石が含まれる非常に珍しいものです。

 その他にもアミノ酸が含まれている隕石もあります。これは地球における生命誕生の鍵を握る隕石であり、宇宙に生命があったことの証拠でもあるのです」(ジャン=マリー・シャラー氏)

他のブランドにはない
ルイ・モネ独自の時計作り

自ら開発した『メモリス スピリット』を腕に装着し、メカニズムに見入るジャン=マリー・シャラーさん

自ら開発した『メモリス スピリット』を腕に装着し、メカニズムに見入るジャン=マリー・シャラーさん。彼の時計作りへの情熱が19世紀に活躍したルイ・モネという伝説の時計師のヘリテージと融合することで、世界にも類を見ない個性的なタイムピースへと昇華する。


 宇宙の神秘と広がりを感じさせる天文モデルの他に、ルイ・モネの大きな柱となっているのがクロノグラフである。


「そうです。ルイ・モネはクロノグラフの発明者であるので、それを違った角度から見せるために製作したのが『メモリス スピリット』というコレクションです。このモデルの重要なコンセプトは、上面にクロノグラフのメカニズムがあり、その裏面に自動巻きのメカニズムが置かれていることです。

 我々は、まず2016年にケース径46mmの『メモリス』を発表しました。このモデルには311個の部品が使われていました。

 そして今年(2023年)、『メモリス』に改良を施した『メモリス スピリット』を発表しました。このモデルは40mm径のケースを採用し、ドーム型のサファイアガラスが全体の表面積の50%を締めている仕様になっています。これは開発するのに2年以上もかかってしまいましたが、その結果、この時計はメカニズムの中にダイビングできるのです。つまり、さまざまな角度から時計を見ることができるというわけです」(ジャン=マリー・シャラー氏)


 最後にお聞きしたいのですが、ジャン=マリーさんが想定しているルイ・モネのカスタマーとは、どんな人でしょうか? そしてルイ・モネの時計はどんな国で人気があるのですか?


「簡単にいえば、他とは違うものを求めている方です。そして人気がある国は毎年、違いますね。以前はロシアでしたが、今ではゼロになりました。現在、ルイ・モネの時計を高く評価していただいているのは北アメリカ、ヨーロッパ、中東、そしてアジアの国々です。その理由のひとつは、昨年にアジアのパートナーと共に検討して40mm径のケースを開発し、それを支持する国も増えてきたことがあるでしょう。

 そういえば先日、タイでのコレクターとのディナーの席において、非常に驚くべきことですが、『タイム トゥー レース』をフルセットで購入した方がいらっしゃいました。このように私は時計を、直接、愛好家の方にお見せすることが大切だと考えています。それが今回、私が日本にやってきた理由のひとつでもあるのです」(ジャン=マリー・シャラー氏)


 日本では、まだまだこれからのルイ・モネ。しかし、その魅力は必ずや日本の時計愛好家の心にも響くに違いない。

  • ジャン=マリー・シャラー
  • JEAN-MARIE SCHALLER
    ジャン=マリー・シャラー

    1959年、スイス・ジュラ地方コルバン生まれ。ビジネスカレッジを優秀な成績で卒業後、ロンドン(1978-1979年)やニューヨーク(1989年)でビジネスを学ぶ。スイスに戻り、ローザンヌやニューシャテルのマネジメントスクールに教師として勤務。その後、米国ミシガン州デトロイトの自動車業界で働いた後、再びスイスに戻り国際的な貿易会社シイベル・ヘグナーSAに入社。同社ではオメガのスイス向けマーケティングやダニエル・ロートの世界展開を担当する。1994年、シイベル・ヘグナーを退社し、「ペルレ」の復活を指揮。6年間の勤務の後、フランスのラコステ社で時計部門のマーケティングなどを担当。2004年、伝説の時計師ルイ・モネと出会い、商標を8000スイス・フランで入手。その名声の復活を目指し「アトリエ・ルイ・モネ」を創設する。



INFORMATION

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株式会社ジーエムインターナショナル
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