Ferdinand Berthoud“時計の谷”が生んだ偉大な時計師 フェルディナント・ベルトゥーの名を継ぐ超高級ウォッチ登場!
「カール-フリードリッヒ・ショイフレさんの個人コレクションが
フェルディナント・ベルトゥー復活のきっかけでした」
「クロノメーター フェルディナント・ベルトゥー」再生プロジェクトが始動したきっかけは、何だったのでしょうか?
「最初のきっかけは、かなり以前ですが、ショパール社の社長のひとりであるカール-フリードリッヒ・ショイフレさん(注:ショパール社は兄のカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏と妹のキャロライン・ショイフレ氏のふたりが共同社長を務める)が、ベルトゥーの製作したマリンクロノメーターやイクエーション・オブ・タイムを搭載した懐中時計などを入手したことでした。その後、2011年3月に私がショパールに入社し、L.U.Cコレクションの開発に携わっていましたが、その年末にショイフレさんから個人的に話があると言われたのです。それが実はベルトゥー復活のプロジェクトでした。
その後、6か月かけて新しい時計の開発計画を立て、最初のベルトゥー・ムーブメントの開発をスタートさせました。
その結果、2015年の年末にパリのフランスヨットクラブで新生ベルトゥーのお披露目を行いました。フランスヨットクラブというのは、一般に借りられる場所として、もっとも有名で権威ある場所で、そこで特例として発表会を行ったのです。
そして2016年4月からパリのリテイラーで販売を開始しましたが、ひと月に1~2本という、ハイエンドな時計では好調なペースで販売され、現在では41本が出荷されました。
しかし、非常に特殊な時計ですから多くは作れず、オーダーは受けていますが、パリを含め全世界で6店舗しか扱っていませんが、どの店でも、ほぼ在庫はないでしょう。
もちろん、1~2本は展示用に置いてありますが、販売されるモデルの大半が、注文を受けて製造し、各ショップに納品した途端、オーナーの手に渡るという状態です」
本物の時計を求め、最高のスタッフで復活プロジェクトを始動
「ベルトゥーは時計師であると同時に科学者でもありました。ですから彼の製作した時計は、世界中の有名な時計や科学技術の博物館に常設展示される極めて重要な展示物です。それはベルトゥーと彼の作った時計が、科学技術の発展に大きな役割を果たしたからであり、我々がベルトゥーの時計を復活させた第一の理由です。
そして、もうひとつの大きな理由は、以前のベルトゥー・ブランドのオーナーがその名のリバイバルを計画していたのですが、それは一般的なムーブメントを使うものだったからです。この計画をショイフレさんが知り、“そんなことはあってはならない!”と判断して彼自身がすべての権利を買い取り、しっかりとした形で復活させることを決断したのです。
ショイフレさんは、本当にすべての権利を買い取りましたが、このような時計を作るためには高い技術を持ったエンジニアが必要です。そこで彼はショパールのL.U.Cを開発・製造するために育成していた人材を投入し、ベルトゥー再生の仕組みを整えたのです」
実際には、どのようなスタッフで開発をスタートさせたのですか?
「我々はまずスペシャル・チームを組みました。主任時計師、高度な技術を持つふたりのエンジニア、デザイナー、そしてマネージャー。それが私であり、彼らを指揮してゼロからベルトゥーの専用ムーブメントを作りました。
最初に決めたルールは、“ベルトゥーはショパールとはまったく別物であり、我々もL.U.Cとは別のチームであること。ショパールとL.U.Cの資産は使うことはできるが、そこで作ったネジもルビーも絶対に流用せず、イチから作ってくれ”と申し渡したのです」
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photo:Ryotaro Horiuchi
協力:ショパール ジャパン / Special Thanks:Chopard Japan
INFORMATION
フェルディナント・ベルトゥー(Ferdinand Berthoud)についてのお問合せは・・・
ショパール ジャパン プレス
〒104-0061 東京都中央区銀座2-4
TEL: 03-5524-8922
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