Watch Person Interview vol.68 パルミジャーニ・フルリエ CCO スティーブ・アムステュッツ インタビュー
日本は重要なマーケット。
我々には、より良い未来があるはずです。
大手時計グループやラグジュアリー・メーカーにおいて目を見張る実績を上げ、キャリアに磨きをかけてきたスティーブ・アムステュッツ氏は、2016年末、パルミジャーニ・フルリエのヴァイスプレジデント、およびチーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)に就任した。
そのアムステュッツ氏が2016年11月に続いて二度目の来日。2015年の日本市場復帰以後、着実に評価を高めつつあるパルミジャーニ・フルリエの現状を聞いた。
日本市場へのカムバックから2年以上が経過しましたが、その手応え、評判はいかがですか?
「日本はパルミジャーニにとって大変重要なマーケットです。かつて良き時代を経験しましたが、その後は、難しい時もありました。ただ、今ではそれも過去となり、しっかりとした足取りで歩んでいますから、私は楽観的に未来を見据えています。
そのためにも私もミシェル・パルミジャーニも、1年に1~2度は来日して皆さんとお会いしコミュニケーションを図りたいと考えています。
もちろん、ミシェルには創業者、ブランドの代表、そして時計師としてブランドの歴史や精神、また作品についてしっかりと説明し守る役目があります。
そして私には企業としての方針を決める役目があり、ビジネスの発展や販売の展開、そして何よりマーケティングの責任を担っています。
ですから来日するとジャーナリストや販売店の方、我々の時計のオーナーや時計愛好家の方々にも会って意見交換を行います。また、さまざまなパートナー企業ともミーティングします」
そういった方々とのミーティングでは、パルミジャーニ・フルリエの復活の手応えを実感していますか?
「その話をするのは、ちょっとまだ早いでしょう。ただ、『トリック クロノメーター』という新作を6月に発表しましたが、これが着実な成功を収めつつあるので、我々にとってより良い未来が日本にあると確信しています。
その第二弾として、実は今、私が腕につけている『トリック エミスフェール レトログラード』という新作を、この10月に発表しました」
自社一貫生産と時計の歴史に根ざした
無限のインスピレーション
ところでアムステュッツ氏が考えるパルミジャーニ・フルリエの魅力とは何でしょうか?
「まずは品質です。我々のムーブメントは作りの良さと仕上げが素晴らしく、その他の時計の構成部品、つまりケース、ダイアルなどのすべてが系列グループの工場で製作され、それを徹底して検査し、自社内で完成されていることが大切です。このような生産体制が確立できたのは、5つの工場を垂直統合したからです。
また、新しいモデルを作るにあたって、何百年にも渡る時計の歴史から無限のインスピレーションを得ていますが、そのバックボーンとなっているのが修復部門です。これがあってはじめて、技術的にもデザイン的にも、強い開発力を発揮できるのです。
もちろん、時計ブランドとしてはまだまだ若く、わずか21年の歴史しかありませんが、すでにマーケットにはマニュファクチュールとして製作した30以上のムーブメントを発表しました。これは快挙以外の何ものでもありません。
そして、最後に重要な要素として、我々のマニュファクチュールには、サンド・ファミリー財団がバックにあることです。これにより短期の見返りを求めることなく経営でき、時間の制約なく時計作りに集中できるのです」
そのパルミジャーニ・フルリエの、お薦めモデルは何でしょう?
「私たちのコレクションの『トリック』には複雑モデルもあり、『トリック クロノメーター』や新作の『トリック エミスフェール レトログラード』など、時代に即した新しいモデルも発表していますが、これらのモデルは日本の顧客にとって魅力あるモデルだと確信しています。
このような製品をバックアップするため、我々は新たな広告キャンペーンを展開しています。広告ヴィジュアルでは製品の特徴である“モルタージュ装飾”をクローズアップし、製品のディテールを紹介しています。その結果、ダイナミックでポジティブな結果が出ている『トリック クロノメーター』ですが、新作の『トリック エミスフェール レトログラード』は、2017年のジュネーブ時計グランプリのデュアルタイム部門にもノミネートされており、それ以外の部門にも『トンダ クロノール アニヴェルセール』や『トンダ 1950 ギャラクシー』などもノミネートされています。
パルミジャーニ・フルリエにとって、ジュネーブ時計グランプリで我が社の3つのモデルがノミネートされたことは、ブランド始まって以来。11月8日の夜に結果が出ますが、勝利の暁には、シャンパン、いやアブサント(パルミジャーニ・フルリエが本社を置くヴァル・ド・トラヴェール地方の地酒)でも開けますよ!」
おや? アブサントを飲まれるのですか?
「私はニューシャテル地方生まれですから、“赤ちゃんが寝付かない時には哺乳瓶にアブサントをちょっと入れる”という習慣があるくらいなんですよ」
赤ちゃんにアブサント! さすがニューシャテル生まれである。
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi
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