Watch Person Interview vol.63 パルミジャーニ・フルリエ 時計師 ミシェル・パルミジャーニ インタビュー
20年の時を経て「トリック」が原点回帰
それは、独自のロジックで構成されたクラシカル・ピース
2017年、パルミジャーニ・フルリエはSIHHで、「トリック」の新モデルとなる「トリック クロノメーター」を発表した。三連表示式のカレンダーを備えた三針モデルで、そのルックスは初期を彷彿させる。まさに“原点回帰”と呼ぶにふさわしいモデルだ。
とはいえ、新作は当時のモデルをそのまま復刻させたわけではない。「トリック」のアイコンである円環の意匠はそのままに、段差が1段となり、ぐっとシンプルになった。
「ケースのデザインについては『変えた』わけではなく、『こうなった』という方が正しいでしょう。この『トリック クロノメーター』と、それ以外のモデルでは、同じトリック・ファミリーの中でも違うカテゴリーに分類されています。そもそもこの形状は、複雑な機構を入れるために用意してあるもの。つまり、新作はシンプルな機構であるがゆえに、この形に落ち着いたのです」
最初の「トリック」は、ムーブメントが厚かったため、ベゼルを2段にした。また、このシリーズにはクロノグラフやトゥールビヨン、ミニッツリピーターを搭載しているモデルもラインナップされているが、こちらも機構が複雑であるため、2段のベゼルを採用している。その一方で、最新モデルはデイト付き三針というシンプルな機構のため、1段のベゼルを採用したというわけだ。
さらに、「トリック クロノメーター」のインデックスは、初期のローマン数字からアラビア数字に変更されている。古代ギリシャの建築からインスパイアされたのであれば、ローマン・インデックスの方がバランスはいいはずだ。
「時計を手に取る方々の好みは分かれるので、もともと、インデックスのレパートリーは2種類を用意していて、それを使い分けているのです。また、1点製作のユニークピースやポケットウォッチの場合は、エジプト数字を使うこともありますし、特別なモデルの場合は数字がないこともあります。『どういったメッセージをそのモデルで伝えたいか』ということに合わせて使い分けてきたのです。さらに、私のインスピレーションの根源である“黄金比”や“フィボナッチ数列”などはアラビアの学問から来ているもの。ギリシャやローマだけではなく、発想の源は多岐にわたっているのです」
発想は日常の何気ない出来事であっても、パルミジャーニ氏ならではのロジックが複雑に絡み合って完成する。ゆえに、「トリック」をはじめとするパルミジャーニ・フルリエの時計は、古典的でありながら、いずれも独創性に満ちあふれているのだろう。
取材・文:竹石祐三 / Report&Text:Yuzo Takeishi
写真:堀内僚太郎 / Photos:Ryotaro Horiuchi
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