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BULOVAブローバが革新的な音叉技術を再現し伝説の電子式音叉腕時計「アキュトロン」が復活 01

時計の歴史に新たなページを書き加えた
電子式音叉時計「アキュトロン」

2026年1月に発表されたブローバの新作「チューニングフォーク スペースビュー 314」

2026年1月に発表されたブローバの新作「チューニングフォーク スペースビュー 314」。1960年に誕生した世界初の音叉式電子時計を、現代の技術と発想で見事に復活させ、新世代の音叉時計として完成した。

 電気を時計の動力に用いるという着想は、実は決して新しいものではなかった。記録によれば19世紀の初頭、イギリスで乾電池を使った電気時計が作られたという。

 やがて1841年1月1日にスコットランドの時計職人であり発明家であったアレクサンダー・ベインがクロノメーター製作者のジョン・バーワイズと共に電磁石でテンプを駆動する方式の電気時計を開発し特許を取得。1920年代にはフランスの時計宝飾師レオン・アトがブザンソンで電気時計の製造を開始。これは「ATO」のブランドで販売され、我が国へも輸入された。

 その後、電磁石でテンプを駆動する方式は腕時計へも応用され製品化されたが、機械式(ぜんまい式)と同じテンプや脱進機を用いている限り、精度の格段の向上は望めない。そこで新たに注目されたのが電池を動力源とし、電磁コイルで小さな音叉を1秒間に360ヘルツ(Hz)の高周波で振動させ、その振動を特殊な爪で歯車に伝えて針を動かす音叉時計である。そして、この発想を具現化し、1960年に世界で初めて発表された電子式音叉時計がブローバの「アキュトロン」である。

 その原点となったのは米軍がより正確な計時装置を必要としたこと。その要請にしたがって開発されたという。特徴のひとつが機械式のチクタクという音ではなく、音叉ならではの「ブーン」という360Hz(F#)のハム音である。そしてこの音叉の振動を用いることで1日の誤差が±2秒以内という高い精度を実現。さらに秒針には滑らかに回転するスイープ運針が採用され、ビジュアル的にも世界初の電子式腕時計であることを高らかにアピールした。

 こうして開発されたブローバの「アキュトロン」は、米国NASAのエンジニアや宇宙飛行士を目指す米軍パイロット、航空宇宙プログラムなど数々のプロジェクトに採用され、宇宙開発競争の最盛期には宇宙船内の計器やコックピットパネルに搭載された。

60年以上の時を経て蘇った新作音叉時計
「チューニングフォーク スペースビュー314」

オリジナル(原型)の「スペースビュー」にならって、本作でもダイアル側は文字板のないシースルー仕様となっている

オリジナル(原型)の「スペースビュー」にならって、本作でもダイアル側は文字板のないシースルー仕様となっている。文字板がないためインデックスはベゼルの内側に刻まれ、ロゴや音叉をイメージしたシンボル・マークは保護ガラスの内側にプリントされている。

 この「アキュトロン」の衝撃的な登場から66年、ブローバは10年に及ぶ長い開発を経て、独自の音叉式ムーブメントを新たに発表した。それが今回、紹介する「チューニングフォーク スペースビュー 314」である。

 このモデルでは「アキュトロン」の象徴な特徴である「360Hz(F#)のブーンというハム音」と「滑らかに動くスイープ秒針」がどちらも継承されている。ベースとなったのは当時の「アキュトロン」の中でも、もっとも人気が高かったシースルー仕様の「スペースビュー」と呼ばれたモデルであり、音叉やこれを駆動する電磁石のコイルや抵抗などの電子回路がグリーンの基盤上にむきだしで配置された未来的なアピアランスが忠実に復元されている。

 だが、過去の技術を単純に蘇らせただけではなかった。そこには1960年代当時にはなかった現代ならではの最先端の製造方法が採用されている。

 そのひとつがスイープ運針を実現するため、音叉の振動を動力へ変える要の部品であるインデックス車の製造に「LIGA工法(微細構造物形成技術)」を取り入れたことだ。この先端技法により、わずか3.6mmの部品に400歯を刻むという精密さを実現。加えてオリジナルモデルでは分解しないと見ることが出来なかったインデックス車を文字盤側に配置し、約1.1秒で1周する、精密さゆえに実現出来る高速な歯車の動きを楽しむことができるよう配慮されている。

 さらにオリジナルの「スペースビュー」ではダイアル側だけだったシースルーが、ムーブメントを裏側からも楽しんでいただきたいという思いを込め、裏面も含めた両面シースルー仕様に進化。裏側から見える音叉の特徴的なコイルなど、ムーブメント細部と美しい装飾をあますところなく鑑賞できるのも新作の大きな特徴となっている。

 なお、ブローバの歴史的な偉業を継承する「チューニングフォーク スペースビュー314」は、「CITIZEN FLAGSHIP STORE TOKYO」および「CITIZEN FLAGSHIP STORE OSAKA」そして「BULOVA 公式オンラインストア」の3店舗だけの限定販売となっている。

その美しさに憧れて入手した
私のアキュトロン物語

今から15年以上前に入手した私の「ブローバ/アキュトロン スペースビュー」

今から15年以上前に入手した私の「ブローバ/アキュトロン スペースビュー」。入手時は順調に作動していたが、しばらくすると不調となったため、懇意の時計師さんに修理をお願いし、現在は復活している。

「ブローバ/アキュトロン」の本格的な復活。そこには私個人としても大きな思いがある。なぜなら私は1960年代に登場した「アキュトロン」のレトロ・フューチャーなデザインに心動かされ、オリジナルを入手しメインテナンスを重ねて愛用する者のひとりだからだ。

 この「アキュトロン」の存在を知ったのは、今から40年以上も前。たしか時計雑誌の電気時計特集を見て、その美しく未来的なデザインに心を奪われたのに違いない。

 ただし当時は程度の良いものが国内のアンティーク時計店ではなかなか見つからず、憧れを胸に秘めつつ密かに探査を続けていた。その思いが叶って入手できたのは今から15年以上も前のこと。アメリカのアンティーク時計業者のサイトで見つけ、外観が美しい割に手頃な価格だったので思い切って入手した。

 海を越えて私の手元に届いた「アキュトロン スペースビュー」は、確かに美しく、外観は傷がほとんどない完璧な状態だったが、愛用していたところ突然、停止してしまった。そこで以前から懇意にしている時計師に問い合わせると「直せます」との回答。早速、工房に持ち込み診断していただくと、「部品交換が必要なのでアメリカから取り寄せなければなりません。お時間いただけますか?」と。答はもちろん「イエス」。「いくら時間がかかっても良いですから直してください」とお預けした。

 ところが待てど暮らせど修理完了の連絡がない。しびれを切らして問い合わせたところ「部品は届いたのですが先方の手違いで別の部品でした」という。そこで時計師さんは再度、正しい部品を発注し、その到着を待っているのだという。そんなこんなで約3年が経過、今から2年ほど前、修理完了の連絡を受け、やっと手元に戻ってきたというわけだ。

アキュトロン専用にも思える
ブレスレットとの幸運な出会い

入手した際には普通のレザー・ストラップが付いていたように思うが、地元の中古時計店を訪ねたところジャンク箱の中にアメリカ製「Kreisler(クライスラー)」(下)のメタル・ブレスレットを発見。エンド幅が17.1mmという微妙なサイズは、ほぼ「アキュトロン」専用だろう。もう1本のブレスレットは都内のとあるアンティーク時計店の、これもジャンク箱にて発見したもの。米国「HADLEY(ハドレイ)」(上)の製品でエンド幅は17.0mm。デザイン的にも「アキュトロン」を想定したものに思える。

入手した際には普通のレザー・ストラップが付いていたように思うが、地元の中古時計店を訪ねたところジャンク箱の中にアメリカ製「Kreisler(クライスラー)」(下)のメタル・ブレスレットを発見。エンド幅が17.1mmという微妙なサイズは、ほぼ「アキュトロン」専用だろう。もう1本のブレスレットは都内のとあるアンティーク時計店の、これもジャンク箱にて発見したもの。米国「HADLEY(ハドレイ)」(上)の製品でエンド幅は17.0mm。デザイン的にも「アキュトロン」を想定したものに思える。

 それにしても面白いのはブレスレットとの出会いである。アメリカから届いた当初は、ごく普通のレザー・ストラップが付いていたはずだが、やはり専用ブレスレットが欲しい。そこでまず、まったく期待はしていなかったが地元のアンティーク時計店を訪ねたところ、アメリカの「クライスラー」が作ったステンレスのブレスレットがジャンク箱から見つかった。ラグ装着部のサイズを測ると17.1mm。私の「アキュトロン スペースビュー」のラグ幅が17.5mmなので、実にぴったりである。つまり、このブレスレットは「アキュトロン」専用といってもいいもので、通常のラグ幅18.0mmの時計ではガタガタで使えない。早速入手して装着したことは言うまでもない。

 さらにその後、都内のアンティーク時計店のジャンク箱でもエンド幅17.0mmのブレスレットを発見。それが現在、装着しているもので、サイズといいデザインといい、まさに「アキュトロン」専用としか思えないのである。

 そんな伝説的なモデルが、今回、さまざまな難関を乗り越えて再開発され製品として再び世に出たことは、まさに画期的な偉業である。ブローバによれば新開発した音叉ムーブメントは複雑さゆえ、ひとつひとつ丁寧に手で組み上げる必要があり、それだけに生産が難しく希少性が高くならざるを得ないとのこと。とはいえ伝説的な存在であり、いわば幻の名機であった「アキュトロン スペースビュー」の復活は時計界にとって大きなニュースであることは間違いのない事実である。


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ブローバ相談室
TEL: 0570-03-1390


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