oomiya 和歌山本店新生「oomiya 和歌山本店」が、今“ブランドの館”をコンセプトに掲げる真意 01
目指したのはメジャーブランドのみが
1フロアに集う、明快な時計店
エントランスを抜けた直後に広がる光景を見れば、「oomiya 和歌山本店」は移転15周年を機に、新たなフェーズに突入したことがよく分かる。フロントカウンターこそ以前のままの姿だが、その上階にロレックス。左右を見渡せば、1階フロアは以前より開放感が増している印象だ。どの位置にどのブランドがあるのかが分かるだけではなく、各ブース内の雰囲気まで確認できるのは、意図してオープンな設計にしたためだろう。そのため、目当てのブランドブースに足を運ぶ途中でも、他ブランドの世界観が目に入りやすくなり、より多くのブランドに接する機会を増やしている。
もちろん、ブランドコーナーが整然と並ぶレイアウトは、基本的には以前と変わらない。しかし、コーナーの三方に壁を設けて明確にブランドを区分けした以前の店内と比べると、リニューアル後はブランドをセレクトし、提案している雰囲気が強まっているように感じられる。それもそのはず。同店が意図したのは、分かりやすいフロアデザイン。総売り場面積約250坪という広さを生かし、理想とするブランドの並びを具現したものだという。
2007年に現在の場所に本店を構えた「oomiya」は、2010年に心斎橋店、2014年には京都店をオープンさせ、その後は鹿児島や仙台にも店舗を展開してきた、実に勢いのある正規販売店だ。当初こそ、いくつかの取り扱いブランドが複数店舗で被ってはいたものの、次第に各店ごとの個性が出始め、とりわけ同一商圏内にある心斎橋店は、H.モーザーやジャガー・ルクルト、ジラール・ペルゴといった、機械式時計の愛好家が好むブランドをメインとするように。
こうした店舗のカラーに合わせたブランドの棲み分けは、今後も徐々に進めていくという。その一環として、新生「oomiya 和歌山本店」での取り扱いは、ロレックスをはじめブライトリングやブルガリ、カルティエ、グランドセイコー、ウブロ、チューダーといったメジャーブランドに集約。つまり、本格時計に興味を持つ人であれば誰もが知るブランドが1フロアに揃う、“ブランドの館”として新たなスタートを切ったわけだ。
コアな時計愛好家はもちろん、時計に興味を持ち始めたばかりの人も、納得と満足を感じられる時計店。oomiya代表取締役・出水孝典氏が「5年後、10年後を見据えた店作りができた」と自信を覗かせるとおり、この実に明快なコンセプトは、今後、時計がカルチャーとして根付いていくうえで重要な拠点になっていくことは間違いないだろう。
写真:板津 亮 / Photo:Ryo Itatsu
INFORMATION
oomiya 和歌山本店についてのお問合せは・・・
〒640-8305 和歌山県和歌山市栗栖755-1
TEL:073-474-0038
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日に振替)
営業時間:11:00~19:00