AUDEMARS PIGUET2023年の新作時計速報 オーデマ ピゲのイベント「AP SOCIAL CLUB」で2023年の新作最速レポート! 01
久々の海外出張はスイス。もう数十回も訪問した国ではあるが、久々ということで準備にも気合が入る。それは招くオーデマ ピゲにとっても同様だったのだろう。アフターコロナになってから初めてとなる、ジャーナリストを世界中から招いての大規模なフィジカルイベントなのだから。
そのためかなり前から本国のメールのやりとりがあり、パーティーのドレスコードまできちんと指定してくるほど念入りにサポートしてくれる。となれば取材する側としても、やっぱり気合が入る。しっかり資料を読み込み、撮影機材などの準備を行い、出発当日を迎えた。
羽田発のフライトは深夜なので、のんびりした朝を過ごしていたら、航空会社からのメールが届く。「搭乗予定のパリ便はキャンセルされました」。一気に緊張感が走り、バタバタと関係者に連絡。その後、無事にヒースロー経由の便に振り替えできたので一安心だが、やはり海外取材は一筋縄ではいかないようだ。
ヒースロー空港を経て、慣れ親しんだジュネーブ国際空港へ。空から眺めるジュネーブの景色が懐かしい。空港からは迎えの車で一路、オーデマ ピゲの発祥地であり、今も生産拠点を構えるジュウ溪谷のル・ブラッシュへと向かう。標高が上がるにつれて道が細くなり積雪も増えてくるが、この厳しい冬の気候こそが、この地に農閑期の仕事として時計産業をもたらしたのだ。
宿泊はオーデマ ピゲの横にある「Hotel des Horlogers」。直訳すると“時計師ホテル”ということで、オーデマ ピゲが所有している。現在は改装されてモダンなデザインホテルとなったが、以前はもっとほっこりとした外観で、それはそれで好きだったぁとしばし懐かしむ。明日から2日間にわたって時計漬けの日々が始まるので、早めに就寝。
翌朝は「Hotel des Horlogers」のボールルームに全員集合し、いよいよ「AP SOCIAL CLUB」が始まる。ジャーナリストは6人程度の班に分かれ、ホテル内の部屋を移動しながら様々な新作時計のプレゼンテーションを受ける。しかも説明してくれるのは、デザイナーや企画担当者、そして時計技術者たちなので(しかも通訳付き!)、より深く新作時計のポイントを学ぶことができるのだ。
最大のニュースは、SSケースの
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」!
今年の目玉は「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」のSSモデルだろう。2019年にデビューした「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、8角形のミドルケースや中空構造のラグなど、立体的な構造が特徴だった。こういった造形は、比較的柔らかいゴールドケースだからこそ加工ができた。しかしこの造形を硬度の高いステンレススティールで作ることは、相当難しかったという。オーデマ ピゲには様々な美麗ケースがあるが、製造の難易度ではこれまでで一番だったという担当者の言葉が印象的だった。
さらにダイアルの表現でも新展開。精密な凹凸はギヨシェではなく、型押しで表現している。内側に行くほど目が細かくなるデザインであり、特にスモークベージュダイアルとの相性が良い。このダイアル色のモデルはミドルケースがブラックセラミック製になっており、立体感のあるケースデザインをさらに魅力的なものにしている。
ラインナップはオートマティック(三針)とクロノグラフの2種で、ダイアルカラーはそれぞれにブルー、グリーン、スモークベージュの3色。そして前述のとおり、スモークベージュは三針もクロノグラフも、ブラックセラミック製のミドルケースとなる。
「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」が、セラミック化
ロイヤル オークの所有者としては、オフショアに対しては少々複雑な気持ちがある。こっちはオリジナルで、あっちは派生版。しかしその迫力やタフな雰囲気には惹かれるものがある。特に2021年に登場した初代の復刻モデルは、42mm径とケースもそれほど大きくなく、ロイヤル オークらしいエレガントさも宿している。
しかも今年はオフショアのデビュー30周年を迎えており、その期待に応えるように魅力的な新作が出てきた。「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」は、2021年モデルをベースに、ケース、ベゼル、ブレスレットをすべてブラックセラミックで統一することで、伝統的なスタイルに洗練さとタフさを取り入れた。
もちろんメタルモデルと同様に、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを取り入れ、黒の世界の中に奥行を加えている。
「ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン」は、
ダイアルを愛でたい
昨年はロイヤル オークの50周年ということで、手首へのフィット感を中心にディテールをリニューアルした。そのため今年は、モデルの熟成に力を入れる。数あるロイヤル オークのファミリーの中でも、別格の扱いを受けるのが、初代モデルの流れをくむ39mm径&薄型ケース、そして秒針がない2針の“ジャンボ”。昨年のリニューアルで、搭載ムーブメントは伝説的な名機のCal.2121から約55時間のパワーリザーブとなった3.2mm厚のCal.7121に変更され、ケース厚は8.1mmとなっている。
しかし何よりも惹かれるのは、ブルーグレインダイアルの美しさだ。スタンピングで微細な凹凸を作り、そこにブルーのPVD処理を行い、透明のラッカーで仕上げている。その結果、ダイアル面はキラキラと光り、上質な雰囲気を引き出している。51年目を迎えたロイヤル オークだが、その魅力に陰りはない。
これ以外にもたくさんの新作時計が発表され、その情報の洪水に、ジャーナリストたちの頭はクラクラするばかり。しかも昨年の12月に発表された「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイール」も登場し、技術者自らが新しくなった機構の解説を行うなど充実したカリキュラムで、一日を終えた。
そして夜はウェルカムパーティーを開催。部屋に用意されていたオーデマ ピゲ×カナダグースのライトダウンを着用して向かった先は、ル・ブラッシュ駅の近くにある工事現場。ここはオーデマ ピゲの新社屋となる場所で、増え続けるオーダーに少しでも対応するため、生産規模を拡大する予定だという。
パーティーではフレンチのディナーをたのしみ、またアーティストのパフォーマンスを鑑賞し、大満足のまま一日を終えた。
INFORMATION
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