Leicaジャーマン・メイドの独創機構を備え、ついに発売された「ライカWatch」レビュー 01
2018年6月発表の「ライカWatch」
4年の熟成を経てついに発売
「2018年6月14日、ライカの聖地ウェッツラーのライツパークにおいて“ライカ”の新型ウォッチが世界で初めてお披露目された。その注目の発表会にGressive編集長・名畑が参加。外装設計はもちろん、ライカがムーブメント開発から取り組んだ本格機械式時計の誕生をレポートする」
との書き出しでドイツの名門カメラメーカー、 ライカカメラ社(Leica Camera AG)が発表した腕時計を本誌が紹介してから早くも4年。ついにその販売が開始された。
これも当時のレポートで紹介したが、このモデル以前にも「ライカ」というブランドの腕時計はいくつか存在した。しかし、それらは既存のムーブメントを採用しつつ、外装デザインにライカのカメラにインスパイアされた要素を付加し、カメラの機能にヒントを得て、それを導入したものであった。
しかし、2018年に発表された「ライカWatch」が従来のモデルと大きく異なるのは、ムーブメントの設計開発から外装のデザインまで、すべてが新たに開発されたライカ・オリジナルであり、これをドイツ国内の時計製造会社と共同で実現したことである。
その開発と製造を担当するのが、ドイツ南部ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州において、「黒い森地方」として知られるシュヴァルツヴァルト地方に拠点を置く「レーマン・プレシジョンウーレン社」。これにより「ライカWatch」は、正真正銘のメイド・イン・ジャーマニーの腕時計として完成したのである。
カメラメーカーらしい意匠と機能を備えた
独創の「ライカWatch」2モデル
では実際に「ライカWatch」を手にとって検討してみよう。
外装のデザイン・コンセプトを担当したのは、ベルリン芸術大学教授でありプロダクト・デザイナーのアヒム・ハイネ教授。教授はこれまでに何度もライカ製品のデザインワークを指揮してきたが、その経験が「ライカWatch」には反映されている。
それはステンレススチールを磨き抜いたカッチリとしたケースのフォルムや、リューズの溝、カメラレンズを思わせるドーム型サファイアガラスなど。
次に機能を見てみよう。ベーシックな「ライカL1」は、通常の時・分・秒(スモールセコンド)に加え、3時位置に2時位置の専用プッシュボタンで修正可能な日付表示を置き、その左脇に稼働ステータス表示を搭載。また、8時と9時の間にはクロージングブレード方式のパワーリザーブ表示がある。
もっとも注目したいのは「ライカWatch」共通して搭載されるセコンドストップ機能と稼働ステータス表示である。これは従来の時計のようにリューズを引き出して時刻を合わせるのではなく、カメラのシャッターボタンのようにリューズを押し込むことで、時計が作動を停止し、スモールセコンドの針がゼロ位置に復帰。時刻合わせの後、リューズをもう一度押し込むことで作動が再開する。そして時計の作動時は稼働ステータス表示の窓が白くなり、時刻合わせ状態では作動停止を意味する赤を表示。これがカメラ・メーカーであるライカらしい独創性あふれるメカニズムである。
そして、もうひとつの「ライカL2」は、上記の機能に加え、GMT(第2時間帯表示)とデイ&ナイト表示を搭載する。GMTは12時間制でダイアル外周のリングで表示。4時のインデックス先端に設けられた窓が、昼は白く、夜は黒くなって昼夜の別を示す。
次にムーブメントを見てみよう。まずその造形だが、これは時計を表側から見た時に受けるクラシカルな印象とはやや異なり、極めてモダンで、ある意味、未来的な印象だ。
これらのムーブメントは、すでに紹介したようにドイツのドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州において、時計製造の伝統と文化を保持するシュヴァルツヴァルト地方にある「レーマン・プレシジョン社」との共同開発であり、レーマン社が製造も担当。つまりこれらのムーブメントは「ライカWatch」専用の自社製キャリバーである。
これら「ライカL1」および「ライカL2」は、東京のライカ銀座店にて2022年2月19日(土)より発売が始まっている。
ライカL1
ライカL2
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