Strap World 02 "Atelier Jean Rousseau"「アトリエ ジャン・ルソー」フランス仕込みの高度な技術から生まれる極上のオーダーメイド・ストラップ 01
時計の聖地・銀座並木通りに鎮座する
「ジャン・ルソー」のアトリエ・ブティック
時計ストラップのオーダメイド。今でこそ一般化したが、よく考えると相当に贅沢だ。
この贅沢、一部のブランドでは以前からあったものの、その普及に大きく貢献したのが、フランスのストラップ・メーカー「ジャン・ルソー」であることは間違いない。 「ジャン・ルソー」の創業は1954年。スイスに近いフランス・ブザンソンで50年以上に渡り一流時計ブランドに向けて高品質なレザー・ストラップを供給し続けてきた歴史がある。
このジャン・ルソーが日本に進出したのは2006年のこと。当初は東京の有名時計店と提携していたが、全国の主要時計店でのオーダー受付を開始し、知名度をアップさせてきた。
この時代からジャン・ルソーでは都内に工房を構え、フランス本国から腕利き職人を招いて日本人スタッフを養成しつつストラップの日本国内生産をスタート。これによりオーダーの自由度が格段に向上し、納期も短縮されるというメリットを獲得した。
そして2010年には、銀座に直営のアトリエ・ブティックを開設。さらに2012年6月には、ハイエンドな時計ブティックが軒を並べる銀座並木通りに移転し、現在に至る。
実は本誌では銀座ブティック開設前からジャン・ルソーに注目し、たびたびレポートを掲載してきたが、時間経過と共に内容の刷新が必要と考え、今回、改めてストラップのオーダーとレポートを行うことにした。
豊富な革とオプションで
悩むのもオーダーの醍醐味
銀座並木通りにある「アトリエ ジャン・ルソー」。ここでのストラップ・オーダーは、まず使用する革を選ぶことから始まる。
しかし、これがなんとも悩ましい。用意された革はアリゲーター、オーストリッチ、シャーク、リザード、ガリューシャ(エイ革)、ラバー、カーフなどのスタンダードなものに加え、最近ではチョウザメやサーモンなどのフィッシュ系も加わっている。さらに同じアリゲーターでもカラー違いに加え、光沢の強いシャイニーやつや消しのセミマット、陰影に富むヴィンテージなど、仕上げのバリエーションもある。また最近では暗闇で光を放つアリゲーターレザーの燐光素材なども開発されているので、選択肢は無限とも思えるほど豊富だ。
表の素材を決めたら次に裏側。天然皮革の他、汗に強いアンチスゥエット・レザーやラバーなどがあり、技術者と相談しながら最適な素材を選ぶことができる。
次はラグとバックル部の幅を決める。無論、オーダーの際には装着する時計を持参することは必須。ラグ幅は時計に合わせるが、バックル部の幅は装着するバックル(用意されたもの、あるいは持参のもの)に合わせて調整が可能だ。
そしてストラップの長さを検討。これはサンプルを腕に装着して相談しながら決定。ストラップの末端形状や厚さも指定し、手縫いか機械縫いか、ステッチありなら色はどうするか、バックルは何を装着するか、といった細かな点も指定して、ついにオーダー完了となる。
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見本を手でとりながら使用する革を選ぶ。独特なシボが特徴のシャークは耐水性が高く、表素材だけでなく裏素材にも用いられる素材。今回は裏に採用することにした。
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ステッチを施す場合、そのカラーを選ぶことができる。ここでも微妙なトーンの違いで多くの選択肢があるので、ちょっと迷ってしまうところだ。
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既製のストラップでは、なかなか最適なフィット感が得られない場合、オーダーはピタリと仕上げてもらえる。私の場合、やや腕が太いので、バックル側を75mm、剣側を120mmで発注。
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ストラップは厚みも重要。アンティーク系ならフラットが似合うが、現代のボリューム感あるモデルには3~5mm程度の厚みをもたせることで高級感を際立たせられる。
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オーダーされた寸法に従って豊富に用意された金型を使い、革をカット。オーダーの際にはストックされた革のどの部分を使うかを相談できる。
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ラグの幅やバックルの幅、そしてストラップのシェイプに応じて豊富に用意されているカット用の金型。これをプレス機にセットし均一な力で革をカットする。
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カットされた革に芯材などを接着し、コバを手縫いで仕上げる。「レーシングポニー」と呼ばれる木製の器具で接着まで終わったストラップを挟み、ひと針ひと針縫い上げていく。
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縫い上がったストラップのコバに専用の顔料を塗って仕上げる。何気ない作業に見えるが、ストラップの完成度や耐久性を左右する重要な工程である。
INFORMATION
ジャン・ルソー(Jean Rousseau)についてのお問合せは・・・
ジャン・ルソー株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目5-4
TEL: 03-6280-6721
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