OMEGA 「ハイエック氏がダニエルズ博士を信じたことが、すべての始まりだったのです」
2016年3月のバーゼルワールドで発表された「マスター クロノメーター」検定合格モデルの新作「グローブマスター アニュアルカレンダー」。初期の『コンステレーション』の特徴である“パイ-パン(パイ焼き皿)”ダイアルを採用し、そのインデックスの間に12か月の表示を印字。細かな溝を刻んだ“フルーテッド(Fluted)・ベゼル”はタングステンカーバイド製だ。
すでに述べたように、現在も時計の故障の大半は携帯電話やタブレット端末など、磁力を帯びたデバイスに触れたための磁気帯びが多いというが、これから我が国でもリニアモーターカーなどが実用化されることで、その危険性はさらに増大するに違いない。
このような状況を見越して、精度だけでなく強力な磁場にさらされた場合の危険を回避すべく制定された新たな検定制度「マスター クロノメーター」。その重要性は極めて大きい。
ここでひとつの疑問がある。オメガのマスタークロノメーター・モデルは、これだけの厳密な検定を行いながら、価格が思ったほど高くない。その秘密は何か?
「それは工業化です。これによってリーズナブルな価格が実現できたのです。ただし、テストには時間と、そして“タイム・イズ・マネー(時は金なり)”という言葉どおり、開発には膨大なコストがかかっています。しかし我々は、それを顧客に求めることなく、常に改善を進めていきます」
モナション氏の説明の通り、1993年にダニエルズ博士が自身が開発したコーアクシャル脱進機を手にオメガを訪ねたことが、すべての始まりだった。ただ残念なことに、今ではダニエルズ博士もハイエック氏もこの世にいない。もしもおふたりにメッセージをあるなら、どんな言葉を贈るのだろうか?
「もしもハイエックさんがダニエルズ博士の技術を信じなかったら、今日、『マスター クロノメーター』だけでなくオメガ自体がなかったかもしれません。その意味では二人には感謝を伝えたいですね。
なにしろ、当時の技術者は『コーアクシャル脱進機は、あまりに複雑で、あまりに小さすぎるので単品制作は可能でも工業化や量産化は無理だろう』と語っていたのですからね。でも、この時代にコーアクシャル脱進機の技術を信じたのはハイエックさんしかいなかった。このことに何よりも感謝したいと思うのです」
オメガ
グローブマスター アニュアルカレンダー
「マスター クロノメーター」+年次カレンダー機能を搭載する最新作。METASの検定によって高精度と15,000ガウス以上の超耐磁性能が保証されている。ケース径が2015年発表の「コンステレーション グローブマスター」の39.0mmから41.0mmに拡大された。
ケース素材:SS×タングステン カーバイド(ベゼル)
防水性:100m防水
ムーブメント:自動巻き、39石、パワーリザーブ55時間
仕様:日付
予価:1,015,200円(税込)
発売予定:2016年11月
取材・文:名畑政治 / Report&Text:Masaharu Nabata
協力:スウォッチ グループ ジャパン オメガ事業部 / Special thanks to:Swatch Group Japan OMEGA Division
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