H.Moser & Cie. | H.モーザー 2024新作 時のシンフォニー。H.モーザー「ストリームライナー・コンセプト ミニッツリピーター トゥールビヨン ブルーエナメル」

　2024年の新作としてH.モーザーが、5気圧防水性能を備えたタイムレスなケースのコンプリケーションの女王、ストリームライナー・コンセプト ミニッツリピーター トゥールビヨン ブルーエナメルを発表しました。

　ミニッツリピーターにスポットライトを当てその真髄を引き出すとともに、時、15分単位、および分を美しい音色で知らせるこのコンプリケーションをダイアル上に配しました。ハンマーとゴングが回転する様子はまるでバレエのようで、6時位置に配されたミニッツ フライング トゥールビヨンもダンスさながらの動きを見せます。ロゴもインデックスも排したアクアブルーのダイアルは、槌目仕上げのベースに「グラン・フー」（高温焼成）エナメル加工が施されており、この優美な舞踊にふさわしい魅力的な背景となっています。感覚的な体験、美への賛辞であり、時の経過を最も美しい音楽に編成し、陸上であろうと水中であろうと一秒一秒を貴重な瞬間にするモデルです。

　H.モーザーは最も伝統的でロマンチックなコンプリケーションに注目し、フロアを回るように踊るワルツの動きを取り入れた見事なフライング トゥールビヨンと組み合わせてストリームライナー・コンセプト ミニッツリピーター トゥールビヨン ブルーエナメルを完成させました。ミニッツリピーター機構に視線が集まるよう、2個のゴングとハンマーをダイアル側に配置するというまったく新しい大胆なデザインを取り入れるために、数多くの技術的課題を克服しなくてはなりませんでした。特に、人間工学に基づいて同一平面上に配されたゴングは、フライング トゥールビヨンの動作を妨げないよう、またストリームライナーの特徴でもあるバランスの取れたプロポーション、流れるようなフォルム、高度な仕上げといったH.モーザーが常に目指している純粋なデザインを踏襲するために、弧を描いた形にする必要がありました。一体型ステンレススチール製ブレスレットの曲線は、そのまま手首のラインに沿うように優雅なアーチを描いています。

　最も美しい音色を引き出し、音量、共鳴、ハーモニーを完璧なバランスで実現するために、クッション型のスチールケースにも多くの労力が費やされました。ケースの中央部は、ムーブメントを収納するために最大限に広げられており、サウンドボックスを作るために十分なスペースが確保されています。これにより、異なるフィーラースピンドルから得られる情報に基づいて作動する2個のハンマーが2個のゴングを叩き、時、15分単位、および分を告げる音を増幅させます。ケースは5気圧防水で、万一、人魚の誘惑に屈して海の中で魚たちとミニッツリピーターの美しいメロディーを聴くことになったとしても何の問題もありません！

　6時位置には、スケルトンブリッジの奥にミニッツ フライング トゥールビヨンが覗き、まるでグラン・フー エナメル仕上げのダイアル上に無重力状態で浮かんでいるかのようです。この加工の工程はゴールドのベースに打痕模様を打ち出す作業から始まり、色の異なる4つの顔料を湿らせて細かく砕いてから塗布して濃淡を生み出しています。一つひとつの顔料を慎重に加え、炉で熱して酸化させ、むらなく溶融させるまでの工程は細心の注意を要し、熟練のエナメル加工職人であっても1時間近くかかります。透明感のある「グラン・フー」エナメルに仕上げるまでに計12回もの焼き入れを行い、ようやくH.モーザーを象徴するフュメダイアルが完成します。こうして生まれるダイアルには、ひとつとして同じ物はありません。質感がひと際すばらしく、アクアブルーと名付けられた鮮やかな色合いの仕上げは極めて現代的な息吹を感じさせ、ロゴもインデックスも排しながら、シャフハウゼンを拠点とするマニュファクチュールであるH.モーザーを強く印象付けています。2つのセクションに分かれた立体的な時針と分針には、スーパールミノヴァ®を混合した革新的なセラミックベースの素材であるグロボライト®のインサートが配され、分針はカーブしています。

　この類い稀なモデルを駆動するのは、90時間のパワーリザーブを保証する新しいムーブメント、手巻きキャリバー HMC 905です。美しい現代的なアンスラサイトグレー仕上げで、部分的にスケルトン加工を施すことにより、見事な機構を存分に堪能できるようになっています。伝統的な美しさをシンプルなミニマリスト スタイルで表現することで、これまでの概念を打ち砕く新作にエレガントな魅力が加わりました。まさに、疑う余地のないH.モーザースタイルの高級時計です。