BREGUET | ブレゲクラシック 9075 “王妃のバラ” ユニークピース

　ブレゲのタイムピースをかつて所有した著名人たちの中には、今でもメゾンと深い絆を持つ偉人達がいます。マリー・アントワネットはその代表的な存在です。フランス王妃であったマリー・アントワネットは、心移りすることなくアブラアン-ルイ・ブレゲを贔屓にした顧客の一人であり、ブレゲへの傾倒ぶりは類を見ないものでした。ブレゲもこれに応え、王妃のために制作した懐中時計は、最も複雑な機構を持つ時計として、一世紀近くもの間、名声を誇ることになりました。

　マリー・アントワネットとメゾン創立者の絆の物語は、ブレゲのクリエーションに繰り返しインスピレーションを与えてきました。王妃が愛した場所や趣味はいずれも、マニュファクチュールのデザイナーたちの想像力をかきたてるテーマです。2016年10月25日（火）～2017年2月26日（日）までの期間、東京で開催されている、ブレゲ協賛「ヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展美術品が語る王妃の真実」を記念して、メゾンはフランス最後の王妃への新たなオマージュをエレガントで魅惑的なクリエーションに託しました。プチ・トリアノン宮の庭園を甘美にイメージした一点ものの「クラシック 9075 “王妃のバラ”」です。

　 1774年、夫であるルイ16世はマリー・アントワネットに次のように語りかけて一つの宮殿を贈りました。「花が好きなあなたにブーケを一つ贈りましょう。プチ・トリアノンです」たちまちにして王妃は、宮廷のしきたりから逃れて羽を伸ばすことが出来る、洗練を極めたプチ・トリアノン宮の魅力のとりことなりました。王妃が宮殿そのものよりも愛したのは庭園であり、ここに生活の場を移すと全面的に改修しました。また、王妃は特別な愛情を薔薇に注いだようです。

　ゆえに、世界に一点しか存在しないユニークピースの「クラシック 9075 “王妃のバラ”」は、トリアノンの庭で栽培されていた薔薇のうちの、「ロサ･ケンティフォリア･ブラータ」に脚光を当てました。ブレゲの職人たちは、この薔薇の美しさを余すことなく表現するためにエマイユ技法を採用しました。ブレゲにとってエマイユは馴染み深い美術工芸であり、メゾンのいくつものタイムピースにすでに使われていますが、今回はもう一つの技法を加味しました。すなわち、“グラン・フー” ホワイトエナメルダイヤルに、専門の職人が様々な色のエナメルのパウダーを塗ってモチーフを表し、細密画（ミニアチュール）を描いたのです。この技法が並々ならぬ手先の器用さを必要とすることは言うまでもありません。一つ一つの色、ニュアンス、影は、異なる色のエナメルペーストを黒貂（くろてん）の毛でできた筆で塗った結果です。黒貂の毛が使われる第一の理由は、極めて細いからです。このミニアチュール技法は、想像を絶するほど手間のかかかる仕事であり、一つの色を塗ると、その都度乾燥するまで待ち、その後に800度以上に熱した炉で焼いて色を定着させねばならないからです。

　こうした芸術品のマジカルな魅力をいっそう高めるため、「クラシック 9075 “王妃のバラ”」はダイヤモンドで飾られ、メゾンをもっとも雄弁に象徴するシグニチャーが加えられました。すなわち、“アップルハンド” とも呼ばれるゴールド製ブレゲ針が時を刻み、ダイヤルの見事なエマイユを生かすために目盛りは小さなゴールドの点で表現されています。このタイムピースにいっそうのプレスティージュを添えるのは、サファイア・ケースバック（透明裏蓋）を通して見ることができる機械式自動巻きムーブメントです。

ブレゲクラシック 9075 “王妃のバラ” ユニークピース

Ref.：9075BB/29/876 DD00 01
ケース径：33.5mm
ケース素材：18Kホワイトゴールド、ブリリアントカットダイヤモンド167個をセット（約0.915カラット）
ストラップ：ピンクサテン
防水性：3気圧（30m）
ムーブメント：自動巻、Cal.591C、38時間パワーリザーブ、25石
仕様：ケースサイドに繊細なフルート装飾、「ロサ･ケンティフォリア･ブラータ」のミニアチュールエマイユ、Breguetのサイン入り、インデックスは18K ホワイトゴールドの点で表示、18K ホワイトゴールド製ブレゲ針
限定：1本