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Touch & Feel レポート:ARTIME「ART01」

Touch & Feel レポート:ARTIME「ART01」

 2026年5月21日〜22日に開催された「Time United Tokyo 2026(タイムユナイテッド東京2026)」で、2023年のジュネーブ・ウォッチ・ウィークで鮮烈なデビューを飾ったARTIME(アータイム)の記念すべきファーストモデル「ART01」を、実際に実機を手に取り、その息吹を肌で感じる機会に恵まれました。


触れて驚く、数値を超えた「浮遊感」


 時計を手に取った瞬間、まず目を奪われたのは、圧倒的な「浮遊感」と「視覚的な軽やかさ」です。

 直径42mm、厚さ11.4mmというスペックは、現代のラグジュアリースポーツウォッチとしては標準的なサイズ感。しかし、サファイアクリスタルとチタンが滑らかに溶け合う独創的なケース構造を間近で見つめ、腕に乗せてみると、その数値は良い意味で裏切られます。まるで光そのものを身にまとっているかのような、次元の違う薄さと軽快さが手首に伝わってきます。


指先を魅了する、極上のクリック感


 この時計のハイライトであり、最も現場で興奮を覚えたのが「ファンクションセレクター」の操作性です。

 一般的な時計のようにリューズを引き出す必要はなく、リューズそのものを「押し込む」ことで、

・N(ニュートラル)
・R(巻き上げ)
・H(時刻合わせ)

の各ポジションが瞬時に切り替わります。人間工学に基づいたこの仕組みは驚くほど直感的。

 特筆すべきは、その官能的とも言える操作感です。4時位置で凝視できる二重機能のコラムホイールと垂直クラッチが、プッシュするたびに「カチッ、カチッ」と、極めて心地よい手ごたえと正確なクリック感を指先に返してくれます。本来ならクロノグラフの制御に用いられるこの複雑な機構を、あえて機能選択の切り替えに転用する――。そんなARTIMEの大胆な設計思想が、指先を通じてダイレクトに脳へと響く瞬間は、時計好きにはたまらない至福の時間でした。

ARTIME「ART01」

 視覚的な美しさも、既存のスケルトンウォッチとは一線を画しています。「スーパー・オープンワーク」と称されるその内部には、プレートが存在しません。代わりにホワイトゴールド製のブリッジがケースミドルに直接固定され、まるで宙に浮かぶ建築物のような立体感を創り出しています。建築家サンティアゴ・カラトラバの作品にインスパイアされたというドラマティックなアーチ状のブリッジは、サンドブラストや面取りといった緻密な手仕事によって、光の角度で豊かな表情を見せてくれます。

 技術面においても、6人のエキスパートたちが培ってきた知見が惜しみなく注がれています。6時位置に配されたトゥールビヨンは、ダブル・バランススプリング(2本のヒゲゼンマイ)を搭載しており、同心円状に呼吸するような動きによって高い精度と視覚的なダイナミズムを両立させています。

ARTIME「ART01」

 実際に触れて感じるのは、この時計が単なる精密機械ではなく、スイス時計産業の伝統と革新を熟知したチームによる「芸術的なマニフェスト」であるということです。素材の対比、操作の心地よさ、そして空間の広がり。ART01は、まさに現代のハイエンド・ウォッチメイキングが到達した一つの頂点として、唯一無二の感動を与えてくれました。


ARTIME「ART01」

ART01
ケース径:42.0mm
ケース厚:11.4mm
ケース素材:チタン
防水性:3ATM (30m/100フィート)
ストラップ:ブラックのグレインカーフ(サドルステッチ)、チタン製デプロワイヤントクラスプ
ムーブメント:手巻き(自社開発3次元アーキテクチャ)、パワーリザーブ80時間
仕様:時・分・秒表示、サファイアクリスタル、1分トゥールビヨン(支柱のない新形状ケージ、ダブルスプリングシステム)、コラムホイール&垂直クラッチ式ファンクションセレクター、ケース・ムーブメント一体型パノラマビューシステム(特許出願中)
限定:世界限定20本




About「ARTIME」


ARTIME「ART01」

 2021年、スイスの時計づくりの揺りかごであるジュラ地方のレ・ブレネにて、新たな高級時計ブランド「アータイム(ARTIME)」が誕生しました。ブランドを率いるのは、ファブリス・デシャネル、ディディエ・ブレタン、マニュエル・トーマ、クロード・エメネガー、エマニュエル・ジュティエ、ステファン・マチュレルら6人の熟練職人たちです。彼らはオーデマ ピゲやルノー&パピ、グルーベル・フォルセイなど、名門組織でキャリアを積み、同じ釜の飯を食ってきた時計界の精鋭たちです。既存の制約やマーケティングに縛られず、純粋な「創造の自由」と情熱を追求するため、彼らは水平的なガバナンスのもとで協働し、自らの芸術を極めた表現へと挑み続けます。

ARTIME「ART01」

 彼らが2023年3月に発表したファーストモデル「ART01」は、「スーパー・オープンワーク作戦」を掲げ、まるで宙に浮かんでいるかのような現代時計建築を体現しています。デザインは建築家サンティアゴ・カラトラバの構造美に着想を得ており、部品を層状に重ねる従来の定石を覆しました。キャリバーから地板を排し、立体的なアーチ型ブリッジをチタン製のケースミドルへ直接固定する大胆な設計を採用しています。さらに、極薄ベゼルをサファイアクリスタルに載せてケースに噛み合わせる独自の組み立て構造(特許出願中)により、ムーブメントと外装の境界が溶け合い、実寸を感じさせない圧倒的な透明感とウルトラモダンな軽やかさを実現しました。

ARTIME「ART01」

 内部機構にも定石に囚われない革新性が凝縮されています。1分トゥールビヨンは、通常ケージの上下をつなぐ支柱をあえて排除した全く新しい立体フォルムを成し、遮るもののない空間を解放しています。心臓部にはPrecision Engineering社製の二重ヒゲゼンマイを搭載し、2本のヒゲゼンマイが中心に結ばれ同心円状に位相を反転して作動することで、軸受けへの負担を軽減し、高精度なクロノメーター性能を追求しました。また、引き出すタイプではなく、押し込んで操作する独自のファンクションセレクターを採用。リューズをワンプッシュするだけで、ニュートラル(N)、巻き上げ(R)、時刻合わせ(H)をスムーズに切り替えられます。この制御には、本来クロノグラフに用いるコラムホイールと垂直クラッチからなる独自システムが組み込まれており、4時位置からその美しいメカニズムを目にすることができます。

ARTIME「ART01」

 素材選びと仕上げの哲学においても、徹底した審美眼が貫かれています。ブランドは手作業による緻密な伝統仕上げを最大限に際立たせるため、ブリッジや輪列の素材にあえてホワイトゴールドを採用。チタンやゴールド、スチールの異なる金属が織りなすグレーの階調に、ルビーの赤が美しいアクセントを添えます。サンドブラストや丁寧なポリッシュ面取りなど、小さなネジ一本からトゥールビヨンケージ、完全オリジナルのバックルに至るまで、すべてのパーツに等しく最高峰の情熱と職人の「手触り」が注がれています。この初のクリエイションは、個々の卓越した技術を結集させ、時計製造芸術の頂点へと挑むアータイムの確かなマニフェストであり、いわば憲章なのです。


INFORMATION

アータイム(ARTIME)についてのお問合せは・・・

有限会社 レ・ザルティザン
〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-3-20-105
TEL: 03-5940-7797


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