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Certified Watch Coordinator正確な知識を身につけ、時計文化を未来に 01

時計販売スタッフはもちろん
愛好家も取得して損はない資格

タグ・ホイヤー

 クォーツの台頭によって、一時期はその存在が危ぶまれたものの、1980年代後半から90年代にかけて復権を果たした高級機械式時計。それは精緻なパーツを組み合わせることによって構成された精密な道具であるとともに、今や私たちの手首を優雅に彩る装飾品にもなっている。それゆえに、高級時計の販売に携わるスタッフにとっては、適切な接客はもちろんのこと、時計にまつわる高度で専門的な知識が不可欠となる。

 もちろん、現在はインターネットの普及によって、時計の情報は簡単に得られるようにはなったものの、すべてが正確なものとは限らない。そこで改めて重視されるようになったのが、メディアや時計専門店が発信する情報だが、特に高級時計がブームとなった2000年以降は時計専門店で働くスタッフが著しく増加したため、販売スタッフによって知識の正確性に差が出てしまうような事態に陥ってしまった。

 こうした状況を改善するべく、日本時計輸入協会が2011年にスタートさせたのがCWCだ。これは業界を横断して正確な専門知識を共有することを主目的とした資格検定制度。販売スタッフが取得することによって時計の歴史や構造などの正確な情報を伝えられるようになり、顧客の満足度を高められるようになったことはもちろん、時計文化が正しく未来に継承される環境の構築にもつながった。

タグ・ホイヤー 銀座

タグ・ホイヤー 銀座
住所:東京都中央区銀座6丁目7-16


トレーニングマネージャーが実感した
CWC取得のメリット

 この制度は徐々に認知され、自社販売スタッフの積極的な資格取得を勧める専門店も増えたことで、現在、CWCは約3000人が取得するまでになった。一方、ブランド側でもCWC取得を推奨する動きが出始めており、タグ・ホイヤーではこうした資格の受験をサポートする取り組みが始まっているという。


「以前はホールセールの営業職に就いていたのですが、店舗に行くと、丸いバッジを付けたスタッフの姿が多く目に留まったので、気にはなっていたんです。その当時は“時計の資格を取得した人が付けているバッジ”くらいの認識しかなかったのですが、今回、自分自身が受験したことで、ようやく資格の内容とバッジの意味がつながりました」


 このように語るのは、LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパンで、現在はタグ・ホイヤーのトレーニングマネージャーを務める倉石裕太氏。倉石氏は1年ほど前に現在のポジションに就いたが、ちょうど同じタイミングでCWCの取得を会社がサポートしてくれることを知り、そもそもCWCに対して抱いていた興味と、今後仕事をするうえでCWCの取得はプラスになると考え、受験に踏み切った。

タグ・ホイヤー 銀座

「取得を目指したとはいえ、日々の業務が忙しかったので、準備に充てられたのはごく短期間でした。ただ、タグ・ホイヤーに入社して今年で10年目になるのですが、それまでの業務などで得た時計の知識は少なからずあったので、そうした知識の蓄積は役に立ったと思います。準備期間はCWCの公式テキストに目を通すだけでしたが、時計の知識以外のこと……たとえば、包装に関する内容や経営に関する知識については知らないことが多く、短期間でそうした知識を詰め込むのには苦労しました」


 もっとも、CWCを取得したことで、現在の仕事で役に立っていることは少なくないという。


「受験を機に、改めてベーシックな知識を習得したことで、お店のスタッフや取引先の方からは信頼を得られるようになったと実感しますし、時計そのものの知識も体系的に整理できたので、より分かりやすく説明できるようになったように思います。受験される方は時計に興味があるので、すでに時計の知識は十分にあると思うのですが、販売についての知識も要求されるので、そうしたことについても普段から幅広く興味を持っておいたほうが、試験では有利になると思います」


 ウオッチコーディネーターには、基本的な知識が求められるCWCと、より専門的な知識が必要となる上級CWCの2種類がある。時計業界の関係者はもちろんのこと、純粋に時計を愉しむ愛好家にとっても、その見識を深めるうえで受験して損はない資格だ。次回は2025年1月29日に東京、大阪、福岡での開催が予定されているので、興味がある人はまず、日本時計輸入協会のホームページを確認してほしい。

  • タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ
  • タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ
    Ref.CBS2210.FC6534
    ケース径:39mm
    ケース素材:ステンレススティール
    ムーブメント:自動巻
    価格:907,500円(税込)※2024年10月現在


CWC(ウオッチコーディネーター)とは?


ウオッチコーディネーター資格検定制度

時計の販売には、豊富な専門的知識を備え、適切な接客対応ができる時計販売のプロフェッショナルが必要とされています。日本時計輸入協会では、業界横断的に顧客満足度を上げる取り組みとして、2011年から「ウオッチコーディネーター資格検定制度」をスタートさせました。現在、約2,800名のウオッチコーディネーターが全国で、時計選びの楽しさと長くご愛用頂く喜びのお手伝いをするために活躍しております。


受験資格:学歴、年齢、性別、国籍に制限はありません。ただし、日本国内に連絡可能な住所があること。
※上級CWCは、ウオッチコーディネーター資格の既取得者(実技実習修了者)であること。
資格取得対象者:
・時計の販売に現在従事している方(販売スタッフ、店舗マネージャーなど)。
・時計営業に携わっている方(経営者、幹部、営業、営業アドミ、マーケティング担当者など)。
・時計業界を目指す方(学生、就職希望者など)。
・時計に興味を持っている方(ユーザー、プレスなど)。



第14期CWC及び第9期上級CWC試験詳細


2025年1月29日(水)に第14期CWC及び第9期上級CWC試験が開催されます。申込期間は2024年11月1日(金)~30日(土)です。


【第14期ウオッチコーディネーター試験】
試験会場:東京 / 日本教育会館 一ツ橋ホール・会議室
     大阪 / CIVI北梅田研修センター
     福岡 / 福岡朝日ビル
試験日 :2025年1月29日(水)
試験時間:13時~15時(2時間)
申込期間:2024年11月1日(金)~30日(土)
受験料 :8,800円
出題範囲:筆記試験はマークシート方式による選択問題で、CWCテキストより幅広く出題します。


【第9期上級ウオッチコーディネーター筆記試験】
試験会場:東京 / 日本教育会館 一ツ橋ホール・会議室
     大阪 / CIVI北梅田研修センター
試験日 :2025年1月29日(水)
試験時間:一括受験の場合|13時~15時 / 15時15分~17時15分(計4時間)
     分割受験Aのみの場合|13時~15時(2時間)
     分割受験Bのみの場合|15時15分~17時15分(2時間)
申込期間:2024年11月1日(金)~30日(土)
受験料 :11,000円
※第8期より上級ウオッチコーディネーター試験は一括受験のみとなりました。分割受験は現在部分合格している方だけが対象です。分割受験のお申し込みは、CWC事務局へお問い合わせ下さい。
出題範囲:マークシート方式による選択問題で、上級CWCテキストとCWCテキストの両方から、主に製品や製造に関わる【A編】と、歴史や販売に関わる【B編】に分類し出題されます。筆記試験合格には、AとB両編ともに合格と判定されることが必要です。
【一括受験】=下記の【分割受験A】と【分割受験B】の両方の範囲
*なお、上級CWCテキストの<アンティーク時計>、<世界の時計ミュージアム>、<コーヒーブレーク>、およびCWCテキストの<コーヒーブレーク>は出題範囲から除きます。


【合否通知と発表】
・受験者全員に対して合否通知を郵送します。
・併せて協会ホームページに合格者受験番号を掲載発表(2024年2月中旬予定)



取材・文:竹石 祐三 / Report&Text:Yuzo Takeishi


INFORMATION

ウオッチコーディネーター資格検定(CWC)についてのお問合せは・・・

一般社団法人 日本時計輸入協会 JWIA-CWC事務局
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-3-11 DK共同ビル7階
Tel:03-3548-9042
Fax:03-3548-9043

INFORMATION

タグ・ホイヤー(TAG Heuer)についてのお問合せは・・・

LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
TEL: 03-5635-7054


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