Certified Watch Coordinator時計にまつわる正確な情報と文化を伝えられる資格検定試験「ウオッチコーディネーター」が2024年も実施
読んだその日から使えるCWCのテキストと
正確な知識が顧客に与える安心感
正確に時を刻む機械式腕時計は、100以上もの精密な部品によって構成される精密機器であり、一方では着用者のステータスシンボルになり得る装飾品でもある。それゆえ、本格時計の販売においては適切な接客、そして高度で専門的な知識が重視される。
クオーツの台頭を経て1990年代に機械式時計が復活し、本格腕時計を扱う専門店が注目されるようになった2000年以降は、国内の時計店で働くスタッフの数が増加の一途を辿っていった。多くの時計販売員の尽力によって高級時計の人気は高まったが、一方では時計に関する知識に齟齬が生じる──つまり、顧客への説明が店舗やスタッフによって違うというような事態が起こってしまったのだ。
そこで2011年、日本時計輸入協会は業界を横断して正しい専門知識を共有することを目的として「ウオッチコーディネーター(CWC)」を設立した。この資格検定を取得することにより、顧客に正確な情報を伝えられる──すなわち、顧客満足度を高められるのはもちろん、正しい時計文化の伝承が行える体制を整えたわけだ。
このウオッチコーディネーターには2種類の検定内容がある。ひとつは時計にまつわる基本的な知識が求められる「CWC」、そしてもうひとつは、より専門的な知識が必要となる「上級CWC」だ。どちらも認定基準をクリアするためには、製品はもちろんのこと、時計の製造や歴史、その販売に至るまで、実に広い知識が必要となる。現在、資格取得者の多くが時計業界で活躍しており、特に日本正規高級時計協会(AJHH)に加盟する販売店ではCWCの取得を推進している。
そのひとつが、香川県高松市に店舗を構える「アイアイイスズ」だ。系列店となる「アイアイイスズ G-Time」のスタッフ本条弘匡さんは2018年4月にアイアイイスズに入社し、翌年1月に実施された試験を受け、CWCの資格を取得した。
「CWCを取得しようと考えたのは、資格を持っていることで『販売員の中でも、この人なら安心できる』とお客様に感じていただけるのではないかと思ったからです。私は2018年にアイアイイスズに入社して、時計に興味を持ったのも、時計の販売に配属されてからになります。そこで、まずは時計の知識を得ようと思ったのですが、分かりやすくまとまった教科書が見つからず、当初はWebの記事なども見てはいたのですが、そこに載っているのが正しい情報とは言い切れません。そうした中で知ったのがCWCです。CWCのテキストで知識を深めつつ、併せて資格も取得できるならと考えて、テキストを手に取りました。時計の知識が全くない状態でしたが、このテキストはすぐに使える情報が載っているので、とにかく読んでおいて損はないと思いましたね。
翌年(19年)1月の試験に向けて本格的に勉強を始めたのは10月頃からです。入社1年目なので仕事でも覚えなければいけないことが多く、ハードな毎日でしたが、1日1時間くらいテキストをしっかりと読み込んで臨みました。もっとも、時計の歴史や機構といった情報は店頭で使えるのですぐに覚えられたのですが、日時計や水時計など、大昔のことになるとなかなか興味が持てず、そこは覚えるのが大変でしたね。これから取得しようと考える方は、とにかくテキストを読み込むことが重要だと思います。CWCはその日から使える正しい情報がテキストにすべて載っているうえに、お客様からの信頼も得られる資格も取得できる、まさに一石二鳥の制度ではないでしょうか」
次回のウオッチコーディネーター試験、上級ウオッチコーディネーター試験は、2024年1月24日(水)に東京・日本教育会館 一ツ橋ホール、大阪・天満研修センター、福岡・福岡朝日ビルの3カ所で実施される予定で、いずれの試験も申し込み期間は本年(2023年)11月1日(水)~30日(木)までとなっている。これから時計業界で働こうと考えている人はもちろん、一般の時計愛好家も、時計に対する深い知識と自信が得られるCWCを、この機会に取得してほしい。
当店がレコメンドするのは、モーリス・ラクロアの「アイコン オートマティック」です。もともと、ケースのサプライヤーからスタートしているブランドなので、ケースやブレスレットの仕上げといった外装の作り込みがとてもキレイで、時計ファンの方々が「カッコいい!」と感じられるツボをしっかりと抑えた作りになっています。さらに、ケースは200m防水で、インターチェンジャブルシステムの採用でストラップの付け替えも簡単に行える、幅広いシーンで着用できる時計です。ブルーダイアルを備えた直径42mmのモデルは使いやすい定番のモデルですが、カラーバリエーションも増えているので、お好みの1本が選びやすくなっていると思います。
CWC(ウオッチコーディネーター)とは?
時計の販売には、豊富な専門的知識を備え、適切な接客対応ができる時計販売のプロフェッショナルが必要とされています。日本時計輸入協会では、業界横断的に顧客満足度を上げる取り組みとして、2011年から「ウオッチコーディネーター資格検定制度」をスタートさせました。現在、約3,000名のウオッチコーディネーターが全国で、時計選びの楽しさと長くご愛用頂く喜びのお手伝いをするために活躍しております。
受験資格:学歴、年齢、性別、国籍に制限はありません。ただし、日本国内に連絡可能な住所があること。
※上級CWCは、ウオッチコーディネーター資格の既取得者(実技実習修了者)であること。
資格取得対象者:
・時計の販売に現在従事している方(販売スタッフ、店舗マネージャーなど)。
・時計営業に携わっている方(経営者、幹部、営業、営業アドミ、マーケティング担当者など)。
・時計業界を目指す方(学生、就職希望者など)。
・時計に興味を持っている方(ユーザー、プレスなど)。
第13期CWC及び第8期上級CWC試験詳細
2024年1月24日(水)に第13期CWC及び第8期上級CWC試験が開催されます。申込期間は2023年11月1日(水)~30日(木)です。
【第13期ウオッチコーディネーター試験】
試験会場:東京 / 日本教育会館 一ツ橋ホール・会議室
大阪 / 天満研修センター
福岡 / 福岡朝日ビル
試験日 :2024年1月24日(水)
試験時間:13時~15時(2時間)
申込期間:2023年11月1日(水)~30日(木)
受験料 :7,700円
出題範囲:筆記試験はマークシート方式による選択問題で、CWCテキストより幅広く出題します。
【第8期上級ウオッチコーディネーター筆記試験】
試験会場:東京 / 日本教育会館 一ツ橋ホール・会議室
大阪 / 天満研修センター
試験日 :2024年1月24日(水)
試験時間:一括受験の場合|13時~15時 / 15時15分~17時15分(計4時間)
分割受験Aのみの場合|13時~15時(2時間)
分割受験Bのみの場合|15時15分~17時15分(2時間)
申込期間:2023年11月1日(水)~30日(木)
受験料 :一括受験の場合9,900円
分割受験の場合5,500円
※第8期より上級ウオッチコーディネーター試験は一括受験のみとなりました。分割受験は現在部分合格している方だけが対象です。
出題範囲:マークシート方式による選択問題で、上級CWCテキストとCWCテキストの両方から、主に製品や製造に関わる【A編】と、歴史や販売に関わる【B編】に分類し出題されます。筆記試験合格には、AとB両編ともに合格と判定されることが必要です。
【合否通知と発表】
・受験者全員に対して合否通知を郵送します。
・併せて協会ホームページに合格者受験番号を掲載発表(2024年2月中旬予定)
取材・文:竹石 祐三 / Report&Text:Yuzo Takeishi
INFORMATION
ウオッチコーディネーター資格検定(CWC)についてのお問合せは・・・
一般社団法人 日本時計輸入協会 JWIA-CWC事務局
〒104-0061 東京都中央区銀座1-14-7 5階
TEL:03-6263-2464
FAX:03-6263-2444
INFORMATION
アイアイイスズ G-Timeについてのお問合せは・・・
〒760-0029 香川県高松市丸亀町7-16丸亀町グリーン西館2F
TEL:087-873-2335
FAX:087-873-2445
定休日:1/1
営業時間:11:00~20:00